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2006年10月15日 (日)

田中啓文著『ハナシにならん!笑酔亭梅寿謎解噺2』

シリーズ第1弾『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』レビューはこちら
 
 
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普段は専ら文庫本買いの私が、待ち切れなくて単行本にて購入してしまった1冊…。しかも、買ったその日に一気に読み終えてしまった1冊!!その位楽しくて魅力ある好シリーズの、こちらは第2弾です!!


今回も基本的な作りは前作と同じ。只「謎解き」に当たる部分は少しおとなしめで、より竜二の成長物語の方に重きが置かれていますね。今回事件は起こってもせいぜいコソ泥騒ぎ、位かな。
前作ですっかり落語の魅力に取り憑かれ、何やかんやあり乍らも師匠の元で技を磨く事を決めた竜二。話術やレパートリーにも少しずつ幅が出てきて、自身が師匠から感じた様な古典落語への感動をより多くの人に感じて貰いたい!!との思いを強めていきます。
が、若き竜二は時に気持ちばかりが先走ってしまって。「落語」というだけで世の人が1歩も2歩も引いて見てしまう現実が、彼にはもどかしくてしょうがない。
本当はもっと気さくで面白い世界なのに、表舞台で脚光を浴びるだけの魅力を備えた笑いであるのに…段々と湧き起こる竜二の一寸した「欲」が、全編通しての大きな流れを形作る展開になっています。
 
 
古き良き伝統を守る姿勢。それはとても凛とした輝きを放つものですけど、同時に世間との間にある種の「壁」を作ってしまうものでもあります。
それを察知して、世の流れに合わせた変化を伝統の中にも加えていく…。長く世の中に広め伝えていく為には、勿論こういった柔軟な発想も大切にはなってきます。
けれども。「古き」ものを打破せんとする姿勢は確かに大事ですけど、その中には多くの古き「良き」ものも混ざっているんですね。長く伝えられ愛されてきたものであればこそ、昔乍らの伝統を何故今でも守り続けているのか……それ相応のきちんとした理由も、勿論あるのです。
 
 
経験の浅い竜二には、何が古臭くて何が守るべきものなのか、そこら辺の判別がまだ非常に曖昧。だからパッと目新しいアイディアに触れると、すぐに気持ちが奪われてとても魅力的なものに映るんですね。
そうやってあれこれ移り気になり、ひとり模索して意地になったりもがき苦しんだり…繰り返すその姿勢が、又彼をひと回り成長させてくれるのです。
 
 
竜二のアイディアは時に突飛過ぎて、兄弟子達の怒りを買うのもさもあらんという感を受けたりもします。
だけれども、やってみて躓いて答えに気付く彼の経験は…決して、無駄なだけのものだったとは思いませんね。
結果が見えていたとしても、実際に身をもって感じ取る事が出来たのなら…それは若さ故に得られる、大きな糧であると思います。
やってる事は突拍子もない事、けれど落語界の為に何かやらんとしているのだけは伝わってくる…。竜二の行動に渋い顔をする兄弟子達が、それでも何処か案じる様な視線で見ていたのは…彼の必死な姿が伝える想いを、ちゃんと感じ取ってくれてたからじゃないでしょうかね。
 
大事なのは、自分なりに考えてから行動に移してみる事。そしてやるからには、本気でやる事。
本気でやっていれば、必ず「人」がついてきてくれる…。真剣な想いが繋いだ人と人の「絆」を感じられる展開に、最後は胸が熱くなりました。
 
 
そして「絆」と言えば、何よりも竜二にとって切っても切れない存在。お馴染みツンデレ師匠(違)・梅寿も、しっかり見せる所で魅せてくれましたね~!!
相変わらず破天荒な素行で竜二を振り回しつつ…今では実の親子みたい、或いはそれ以上に、互いを良く見て分かり合ってる師弟。心から良いものだなぁ、と感じましたよ…。
ある場面で竜二が言った、『俺は……やっぱり笑酔亭梅寿の弟子です』という台詞。思わず目頭が熱くなりましたね。若々しい素直な感情が心地良い!!
 
 
時に前作でちらと気になっていた、竜二とチカコの関係は。さ程目立った進展は見られないものの、しかしいつの間にやらナチュラルに互いのアパートを行き来してたりしてて侮れません(笑)。大事な所でチカコが竜二の支えになってたりもしましたしね~☆
彼女のぱきぱきした明るさと元気さが、ともするとうじうじ沈み込みがちな竜二をさりげなくサポートしている様が楽しいですね。つか、仮にも札付きのワルで鳴らした筈の竜二君…少しはしゃんとせぇよ(笑)。
第3弾も、チカコの世話焼き女房ぶり(!?)から目が離せないです!!
 
 
個人的に好きだった話はやっぱり「親子茶屋」!!竜二と師匠の絆に心あたたまりましたです!!
それから、「道具屋」の話も沁みたなぁ…。猿右衛門師匠の静かなる「芸」に、潔い心意気を感じましたよ。
 
 
さ、今から続きが楽しみなシリーズである訳ですが…。
この本出たのは今年8月。なもんで新刊はまだ当分先でしょうね(焦)。
又ひと波乱あるのでしょうか。恐らくは来年?出るであろう第3弾にも期待したいです!!


同じ本の感想記事を書いてらっしゃるブログ様:
「まったり読書日記」/エビノート様
「今日はちょうどよい日和だから」/七生子様
「Flying Dutchsan」/ダッチ様
 
 
※文中『』内の台詞は、田中啓文著『ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺2』/集英社より抜粋しました。

田中啓文著『ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺2』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

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コメント

続けてシリーズ読破されてたんですね!
我慢できずに本屋に走っちゃうだけの面白いシリーズですよね。
落語の魅力を知った竜二が、世間一般の人にもその魅力をわかって欲しいと試行錯誤する様子が微笑ましかったです。
頑張れ~と応援したくなっちゃうんですよね。
師匠との絆も今回またまた感動させられました。ほんと「実の親子」のようです。
今後竜二がどんな風に成長していくのか、第3弾の発売が待ち遠しいですね!

エビノート様

こんばんは!!

そうなんです、勢いにまかせて購入&読了しちゃいました☆
めったに単行本は買わないのですけど(値段が…)。今回は誘惑に耐えきれなかった、です…。
奮発して良かった!!(笑)

そうそう、読んでいく内に、自然と竜二の事を応援したくなってくるんですよね~!!
落ち込んでる時は負けるな~、と言ってみたり、奇をてらった新しいものに目が眩んだ時は、しっかりしろ~と喝入れてみたり…。
こちらにも十分落語の面白さが伝わる作りになってるだけに、余計感覚の近い竜二に感情移入出来るのかもしれませんね。

師匠との話毎に深まる絆にもじんときますねー。
男同士らしく、一寸不器用な互いの思いやりが何とも微笑ましいです☆

第3弾、待ち遠しいですね。早く出ないかな…(無茶な話)。

なるとさん、はじめまして!
コメント&TBありがとうございました。
ほぼ同時期に読んでいたんですね。
感動を共有していたのかと思うと、嬉しいです。

なるとさんの「人と人の「絆」を感じられる展開に…」に、力強く頷いちゃいました。
大失敗しながらもひたむきな竜二の姿が
彼にかかわった周囲の人間の心まで変えていく。
その結果が最後のステージですよね。
私も読んでいて、胸が熱くなってしまいました。

すっごくいいところで終わってるのが憎たらしいですよね!
さほど待たされずに続編が読みたいです!

七生子様

こんにちは。
こちらこそ、コメント&TB有難うございます~。
七生子様の記事はにほんブログ村を巡り歩いている時に見かけまして、即刻お邪魔させて頂きました☆

作品の同じ部分に感動されていた方と出会えて、とても嬉しいです♪
>大失敗しながらもひたむきな竜二の姿が
彼にかかわった周囲の人間の心まで変えていく。
私もここのシーンがたまらなく好きですね~。

悪態ついてた兄弟子達も、頑張ってる竜二の姿をちゃんと見ていたんですよね。根っこにある彼らの思いやりがあたたかかったです!!

続編…本当待ち切れないです(>_<)
一日千秋の思いで待ち焦がれつつ…。

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