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2007年10月30日 (火)

北方謙三著『三国志』 三の巻 玄戈の星

アツイ!!アツイですぞ!!この3巻から、アイドリング中だった展開から一気にエンジンかかり始めた様に勢いが増してきました!!


群雄が割拠するにつれ、巻き起こる戦や権謀もだいぶ大規模なものになってきまして。呂布は大暴れするわ、劉備はこの上ない屈辱を味わうわ、曹操はあわや寝首(よりも屈辱かもある意味)をかかれそうになるわ、…そして、そんな中孫策&周瑜はめでたく美人姉妹をゲットするわで(笑)何かと目まぐるしい巻でした〜。
特に呂布の勢いは、とどまる事なく…。もうこの巻は、ひたすら呂布に引っ掻き回された巻と言っても良いでしょうね。


流石は三国随一のデストロイヤー・呂布。劉備を引っ込ませ、袁術を蹴散らし、曹操をして尚大いに苦しめる…その脅威を、十分過ぎる程世に知らしめて突き進んでゆきます。
かと言って、目先の欲や俗っぽい野心の欠片もないのは相変わらずで。圧倒的な破壊力を見せつけ他を恐れさすも、愛馬・赤兎と共に戦場を駆ける彼の姿には何処か涼やかなものさえ感じられました。
まるでこの砂と血に塗れた戦場こそが、自らの聖地であると悟っているかの様な。この世にひと欠片の未練もない彼のみぞ持ち得る、荒々しい強靭さをひしひしと感じますね。


この呂布に押し出される様にして、再び原野に放り出された格好になったのが劉備。やっと一州を領したばかりでありましたが…あえなく又、流浪の身へと戻される事となってしまいました。
元々は、文字通り何もない所から始まった道。だけれども、今の彼には…あの時志を分かち合った僅かな仲間達の他に、後からついてきたものも少なくなくて。五千の兵を抱える今となっては、只以前の様な根無し草に戻る訳にはとてもいきません。
何処か、拠るべき所が必要な身になっている―。現実を直視して、劉備は遂に大きな決断を下すに至りました。それは何と、あの曹操の「客将」となる事です――。


これ迄頑なに、「鶏口となるも牛後となるなかれ」の姿勢を貫いてきた劉備。
ですが「志」だけでは守りきれないものが今の自分にはある事、又…それらを守り抜く為に柔軟な考えを持つ事は、決して「志」を曲げる事にはならないという事。これを幾度も自問自答し、悩み抜いた上で…彼は心を決めます。
…それでもいざ曹操と対面した直後、悔しさに唇を強く噛み締めた劉備…。完全臣従ではなくて「客将」という、彼の中での精一杯の譲歩が窺えるこの立場を受け入れる時ですら…煮えたぎる様な屈辱の念が、彼の内からは湧き上がっていて。血が滲む迄唇を噛み続けたその姿に、改めて彼の「志」の強さを見た気がして胸の奥が締めつけられる思いでした。


そして実に印象深かった彼の台詞。

『あの男とともに、天を戴くことはない。それが、私にははっきりとわかる』

…曹操と決して多くはない言葉を交わし、確実に劉備の中に宿ったこの意識。これは最早、彼の「本能」が察知したのだと言える気がします。
そして恐らくは、曹操も殆どこれと同じ事を劉備に対して抱いている筈で。しかし彼の場合はその中に僅か、何とか自分に屈伏する姿をこの目で見てみたい、という…少し歪んだ心理も存在しているみたいです。
ともかくも、互いにどちらかが倒れる迄相対し続けるだろう事を直感した両者…。志や野望を皆迄聞かずとも、肌で感じとる様にしてその事を確信した彼らが、これからどんな関わり方をしてゆくのか見守っていきたいです。


さてそれはそれとして、曹操が対峙しなければならない相手は又別でして。今は劉備を追い出し徐州に陣取っている呂布…を、どうにかしなければならない状態です。
呂布軍の強さは彼自身のあり余る戦闘能力も去る事乍ら、彼の麾下である黒ずくめの騎馬隊。正に「少数精鋭」と呼ぶに相応しい一糸乱れぬ動きで、これ迄何倍もの数の敵を幾度となく打ち破ってきました。
この騎馬隊を攻略しない事には…。そこで曹操、ある「奇策」でもってそれに挑みます――。


この合戦シーンはこの巻の山場!!土煙迄伝わる様な力強い筆で、両者の熱い激闘を描いていました〜。
それだけに、呂布の最期の時に漂う静寂が実に良い対比で生み出されていて。瞬間、それ迄の喧騒が嘘の様に静まった描写が…何とも見事だったと思います。
この後の展開にも進んでいって思ったのですが、北方氏が描く「死に際」は非常に興味深いと言うか…。言い方が上手くないですが、「人」が「物」になる瞬間の時を捕らえる様な描き方に思えますね。直前迄の当事者の心情描写がこれ又半端な勢いじゃないので、余計それが際立って映ります。


さて、正に台風の様な存在だった呂布が敗北し…天下は段々と、それぞれの勢力圏が形作られて参ります。
河北統一をじわじわ進める袁紹、帝を擁するという新たな武器を得て、次は何処を攻めるかじっくり見定めている曹操…。南の孫策も着実に力をつけ始めており、又漢中には五斗米道という「信仰」を武器に出来る勢力が徐々に堅固な砦を築きつつある――。
動き出すのは何処か。そして、それにより流れはどう向くか。これからが面白くなってきそうです。


ときにこの記事、携帯から打っておりますが。
曹操とか劉備とかいった顔触れは漢字毎に区切って変換しなきゃならないのに、関羽だけは一発変換出来ちゃいますよ…!!(相変わらずわからない)
前もこんな事あったなぁ…信長と秀吉は出来て何故か家康だけ一発変換出来なかったという。やっぱりこの選別、イマイチ謎です。



ここから結構読む早さも加速し始めていきそうなので。いける時にガンガン進んでおきます!!



※文中の『』内は、北方謙三著『三国志 三の巻 玄戈の星』(ハルキ文庫)より抜粋しました。

北方謙三著『三国志』 三の巻 玄戈の星 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

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