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カテゴリー「バトン・質問」の21件の記事

2008年8月 9日 (土)

057 「中国」からイメージする本は?

只今北方三国志感想書き綴り中…にちなんで?「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」の方も、「中国」にちなむ本を取り上げたいと思います!!…あ、あの祭典とも丁度タイムリーですねそう言えば。
ここはもう、まんまな…陳舜臣著『中国畸人伝』とさせて頂きまする~。
 
 
中国三国末期~唐にかけての歴史上人物を題材にした短編集、であるのですが。ひとつ特徴的なのはその人物選出と言えまして…歴史の表舞台ではあまり姿を見せる事ない人物で、とりわけ「畸人」と表現するに相応しい少々風変わりな者達を取り上げておるのです。
チョイスとしてはまぁなかなかにマニアックでしょうねー(笑)。
私は中国史疎いので、事前に知っていたのは「竹林の七賢」に名を連ねた阮籍と王戎程度でした。
 
ここに出てくる人物達は、皆揃って非凡な才を持っています。その才を持ってすれば名のある英雄に取り立てられたり、一廉の人物として後世に名を残す事疑いなしである傑物ばかりであるのですが…。
…どういう訳か揃いも揃って、彼らはそういった「出世欲」とは全く無縁な精神の持ち主ばかりなんですねー…。寧ろ己の存在が世に出るのを厭う姿勢すら見られます。
故に彼らは、時の英雄や為政者から自分の存在を悟られぬ為に、自らのその非凡な才覚を用いる事となります。それでも目に留まり表に出ざるを得なくなったり、本当の安穏な日々を得る為にはひとつの時代が終わるのを見届けなくてはならなかったり…。
人が羨む才能を持っているばかりに、人には分かって貰えない苦悩を抱える事となった者達の生き様をしっかりした筆で描いている良作でした。
 
 
私にとっては初陳作品だったのですが。題材文体物語共々、相当に”当たった”好作揃いでありましたです!!
前半は三国志の後半部分と時代的にリンクしてますので、一種のサイドストーリーとしても楽しむ事が出来そうですね。
時代の変遷に伴い、「畸人」の種類が段々変わっていってるのも興味深いです。乱世から離れるにつれ、同じ俗世に背を向ける生き方でもより個人主義的な色合いが強くなっていますね。
 
 
あ、中国と言えば、実は私こっそり今年の抱負に宮城谷昌光に挑戦するーと掲げているんですよ(抱負と呼べる程大層な目標なのか)。
もう下半期に突入しちゃいましたね。ここから巻き返したい所です…はは。
 
 
 
陳舜臣著『中国畸人伝』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

企画元様→「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2008年7月13日 (日)

037 「雪」からイメージする本は?

「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」、今回は「雪」から連想する本の話を致したいと思います〜。
季節的にはまぁー随分かけ離れておりますけどね(汗)。いよいよ本格的な暑さがやって参りましたな…。


今回挙げたい作品は、池宮彰一郎の「受城異聞記」
作中の季節や地理は、非常に「雪」と縁深い話となっておりますが。その降り様はひらひら舞い落ちる優雅なものではなく…極寒の雪山で容赦なく吹き荒れる猛吹雪、といった具合であります…。


事の起こりは、美濃国の郡上八幡を所領する金森家の改易が決定した所から。これによって郡上金森家は、『家禄召上げ、家名断絶、その身は信州高遠内藤家へ永のお預けと相なる』憂き目となるのでした。
それに伴い発生するのが、没収となった地の「領地公収」。後任となる大名に引き渡す為に、改易となった領地…主に城や陣屋を引き取る作業が行われます。
してその作業は、『境を接する隣国の手勢を以て行うのが定め』であるとの事。


故に今回白羽の矢が立ったのが…加賀にある前田家の支藩、加賀大聖寺藩。
加賀と美濃、確かに隣同士の関係ではあるのですが…。何とその国境には、標高約2,700mにも及ぶ白山が立ちはだかっているのです。
しかも季節は師走を迎えようとする冬の盛り。この時期の北陸の山越えが、容易ならざる雪山越えになる事は想像に難くない事です…。
何故そんな難儀な言いつけが下ったかと言うと…幕府老中の、底意地悪い思惑があっての様で。しかし御公儀の命とあっては当然従うより他はなく、藩は郡奉行の生駒弥八郎を筆頭に、城地受取部隊の結成・派遣を行う事としたのでした。


冒頭生駒に難題を承知で頼みに訪れる家老・佐分との信頼関係は、あたたかくも力強く…何とも武士らしい清々しさが伝わって参ります。
ここから始まって、藩の命運を双肩に背負い『決死』の覚悟で出立する生駒達、容赦なく行く手を阻む猛烈な吹雪と雪山の苦難、それに耐え切れず次々と力尽きて行く仲間達…。そして待ち受ける結末――と、全てにおいて壮絶、という言葉が当てはまる作品ですね。
厳しい環境と共に張り詰める緊迫感が、頁をめくる毎伝わってきまして。読み終えても尚息が詰まる感じが残る、重厚な話でした…。


この話は文春文庫から出ている、『受城異聞記』という短編集の表題作でして。この話をはじめとして、全体にがっしりとした重みのある作品が収録されています。
最初目当てだったのは、福島正則の生涯を描いた『絶塵の将』だったのですけどー(超分かり易いチョイス)。全部読み終えてみましたら、これらも含めて私好みの骨太な作品揃いの本でした!!
きっと海音寺潮五郎の様な硬さの文章が気に入る方なら、この作品達の文章も肌に合うかなーと。
昨今の人情時代話も良いけど、たまには辛口侍ものも読みたい!!って時に是非オススメしたい短編集です〜。



※文中の『』内は、池宮彰一郎著「受城異聞記」(文春文庫『受城異聞記』収録)より抜粋しました。


池宮彰一郎著『受城異聞記』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1



企画元様→「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2008年7月 6日 (日)

055 「戦記」からイメージする本は?

お久し振りっす。
やっとEURO時差ボケから脱却しつつあるなるとです…。スペインのアクティヴなサッカーには本当わくわくさせて貰いましたねー!!こういう時代が訪れるのもアリかと思ってまスhappy02
したら今度は、蒸し暑い暑ーい日々が…sweat02うぁ、遂に私の苦手な季節がやってくるので…すな……wobblysweat01
 
 
さて、久々に通常モード(?)に戻りまして。「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」から、今回は「戦記」からイメージする本について語りたいと思いますー。
これに挙げたいのはやはり、クイントゥス著の『トロイア戦記』…。私の大好物ジャンルの1つである、古代ギリシャのトロイア戦争を描いた叙事詩でス!!


このトロイア戦争を描いた作品…で有名なのは、やはりホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』かと思いますが。
『イリアス』は、トロイア遠征中にギリシア軍内で生じた総大将アガメムノンとのいざこざによりアキレウスが不参戦の意志を示し…そこから苦境に立たされたギリシア軍を描きつつ、トロイアの猛者ヘクトルとアキレウスの対決!!迄を描いた物語。『オデュッセイア』は終戦から10年後が舞台で、海神ポセイドンの怒りを買い未だ故郷への帰還叶わぬオデュッセウスが遂に故郷を目指し旅をする姿…を、故郷で彼を待ち続ける妻と父を捜し旅立つ事を決意する一人息子の様子を交えつつ描いた物語です。
 
で、クイントゥスの『トロイア戦記』は、丁度その間に挟まる時期を描いた物語。
トロイア戦争の後半~終焉迄が作品の舞台です。
 
 
ホメロス作品に比べ、知名度はそうでもない作品なのですが…。内容はあの「アキレウスの踵」や「トロイアの木馬」等々、実はかなり馴染み深い逸話をすっぽりカバーしてる物語なのですー!!
そして登場人物のボリュームは、『イリアス』同様ギリシア、トロイア共に満点ですので。骨格しか把握してなかった逸話の真相や裏舞台を、じっくり味わえると思います。
 
それからホメロス作品と同じく、神話的要素も健在です。ここでもオリュンポスの神々達が、そこかしこで人間達の戦に介入を致しておりますよー。
ギリシアの神話作品で何が魅力的って、この神々の神様らしからぬ人間臭さだと思うんですよねー(笑)。神様だってのに浮気はするし、うっかりミスはするし、逆恨みはするし…でも言い訳は神様並みにご立派で、尻拭いに自身の神々しい絶対的パワーを用いちゃったりするのである意味タチが悪いというか(…)。
『トロイア戦記』はさ程でもなかったかと思いますが、顕著だったのは『イリアス』ですかね。時に人間以上に私欲や私怨最優先で立ち回る神様達。人間同士が小競り合い繰り広げてる頭上で、世紀の姉弟ゲンカを繰り広げる神様達…お願いですから余所でやって下さいませ(土下座)。
 
 
 
とまぁ、結構個人的にオススメしたい古典作品であります。
只登場人物が…あの日本人には浸透しづらい特有のカタカナ名さんがわんさか出て参ります。自然、人物同士の相関図も結構なものに…。私はこの本で「従兄弟おじ」という間柄を初めて耳にしました(笑)。
なので、いきなりこの本から読むのは結構骨が折れるかもしれませぬ。『イリアス』から結構引き継がれてはいるんですけどね…あれも結構長編なのでね…。
なかなか軽々しく人に勧められないお気に入り作品です。葛藤!!



クイントゥス著/松田治訳『トロイア戦記』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1


企画元様→ 「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2008年5月16日 (金)

036 「雨」からイメージする本は?

ラスフレ感想の前に、暫く止まってた「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」の続きを書く事に致します〜。
実はサイドバーの最新記事一覧(10件分)に常にこれ絡みの記事を載せておく…ってのが、密かに目標でしたので。えへ。


して、今回は「雨」から連想される本。結構これは該当作が多いテーマではないでしょうか。
私もふっといくつかの作品が浮かびました…が、丁度一番最近読み終えた短編「驟り雨」(藤沢周平著)を取り上げたいと思います!!


これ「はしりあめ」と読むのですが、文字通り突然の豪雨がさっと駆け抜ける間…に、起こったちょっとした人間模様を描いた作品です。
話の視点は今宵、盗みを働こうと企む男の立場から。不意に降り出した雨をやり過ごそうと神社の軒下で身を潜めている最中に、聞くとはなしに聞こえてしまった人々の愛憎入り乱れるやり取りが、話の流れを作っていきます。


会話をしている人々は、やはりこの雨を凌ぐ為駆け込んできた人達で。皆一様に男の存在には気付いておらず、故に相当な赤裸々トークが展開されていきますー(爆)。
そして急な雨、という条件下、同じ様に軒先を借りにくる人の足は途絶えないんですね。行ったと思ったら又次が、とどんどん続いてく状況に、後ろめたーい計画が胸にある男はその都度やきもきしていきます(笑)。

…こんな調子で少し野次馬的な笑いも誘いつつ。
藤原流の人情節が、やがて頭をもたげて参ります!!


設定が面白いなーと思い読んでみたら、思いの外藤沢作品らしさが滲み出ていて一気に気に入った作品です☆
これが収録されてる同名の短編集(新潮文庫)には、前も少し語りましたが藤沢作品の陰と陽が程良く組み合わさってますので。所謂世間で脚光を浴びた「人情もの」とは違った一面も見られる為、個人的には是非オススメしたい作品集ですー♪



藤沢周平著『驟り雨』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1


企画元様→ 「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2008年1月23日 (水)

010 「もどかしい」からイメージする本は?

思いついた順にさくさく参ります、「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」〜。
今度は「もどかしい」から連想する本!!


まぁこの言葉自体から感じる印象は、人間同士の心が織りなすすれ違いとかいった…心情的なイメージが最初はあったんですけども。
本として連想されたのは、読み手の立場から作品展開へ感じた「もどかし」さ!!松本清張『点と線』ですー。


大まかな流れとしては、殺人事件の真相と犯人を追う使命感に燃える刑事…が、些細な些細な「点」の手がかりを地道に辿っていき。
その積み重ねから段々と犯人像が、「線」となって浮かび上がってくる――といった展開です。
と、書いてはみましたが。これがなかなか、「点」が「線」になってくれないんですよねー!!

待ちに待った新事実!!憶測を裏づける証拠!!…といった成果達が現れる度、こちらも作中の刑事と一緒に小躍りしたい気持ちになるのですが。しかし少し突き詰めてしまうとそれは、何の決定打にもならず…。
まるでこちらが思い描いている仮定に敢えて縋りつかせておく為の「餌」である様に、絶妙のタイミングで散りばめられる「点」のスパイス。噛みしめた後、次への焦燥ばかりが募っていきます。
このじりじりとした展開が実にもどかしい!!です。くぅぅー。
気がつけば主人公と一緒に一喜一憂、してしまってる作品でしたね。


そういえばコレ、つい最近ドラマ化したんでしたっけ。主役のイメージが私の抱いてたのと違ったので見なかったんですけど…。
あれが初映像化だったとかで、何だか意外でした。毎年の様に「夏の100冊」の類に選ばれてた気がしたんでねー、知名度はある作品だっただけに。


これをきっかけに松本清張もの、色々興味惹かれて読みたいなと思ってはいたんですがねー。
気づけば時ばかりが過ぎていました…はは。
今は本屋でしょっちゅう見かける、大奥云々というタイトルの本がどうにも気になってます。怖いもの見たさか…。



松本清張著『点と線』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1


企画元様→「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2008年1月20日 (日)

026 「旅」からイメージする本は?

「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」、今度は「旅」から連想した本があったのでちょろりと語ります。
 
 
この言葉から思い出したのは、カズオ・イシグロの『日の名残り』。原著は英国文学で、私は土屋政雄訳の文庫本で読みました。
とても品のある哀愁を感じた、胸に響く一冊です。
 
 
物語は厳格な英国執事、スティーブンスの視点で語られる一人称形式の作品。
長い執事生活の中で、彼が追い求めてきたのは執事たる者としての「品格」――。流れゆく時の中で時代は移ろい、年を重ね、仕える主人も替わり…そんな変化の中でも只黙々と「品格ある執事」たる事のみを胸に仕事に打ち込んできた彼が、新主人の勧めで6日間程の短い旅に出た時。彼は初めて、改めて自らの歩んできた道・時代を振り返ってみるのです。
旅先で出会った出来事や人々を描きつつ、想いはかつての華々しい日々や若かりし自分、そして今にして思えば「戦友」の様であった女中頭との思い出へと向かっていって。そんな追憶の甘美さ、もの寂しさ、そして想いの辿り着いた先…を、重ねた齢の分に相応しい穏やかな流れで描いています。
 
 
「老い」を迎えようとしているスティーブンスが時折見せてしまう哀愁…今迄出来ていた事が出来なくなり始め、しかしそれを自らに訪れた変化としては認めようとしない様。それはかつて自身が「執事の鑑」と仰いだ父が、寄る年波に勝てず現役を退いた時の様子と着実に似通っていて。その事に気付いていない…様に振舞い続ける彼の姿に、胸がぐっと締まる様な切なさを感じたのを覚えています。
そんなスティーブンスが、人生初の遠出であるこの旅の中で今迄歩んできた人生、これからの事を自らに問いかける姿…は、何だか誰しもに訪れる「いつか」を見る様で目を逸らす事が出来ませんでした。
 
 
…思いだし乍ら書いている内に、又改めて読み返し感想書きたい気分になってきちゃいましたねぇ~。
何か10年おき位で読み返し続けたい作品。きっとその度に抱く感情が違ってきそうだから。
って読んでからまだ10年は経っていないのですが、…まぁ又頁をめくってみたいです。
 
 
因みにこの題名、原題は『The Remainds of the Day』。これを『日の名残り』と訳した感性、個人的には非常に強い感銘を受けたんですー!!変な言い方ですが、参った、って感じ。
こういう日本語の用い方、本当好きだなぁ…。憧れますよ。
 
 
 
カズオ・イシグロ著/土屋政雄訳『日の名残り』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1


企画元様→ 「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2008年1月10日 (木)

031 「海」からイメージする本は?

昨年より始めてみました、「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」。こちらの回答も、今年も引き続きコンプ目指して頑張りたく思いまーす。
まだまだ先は長いのですが…地道にこつこつ参りますぞ!!


して、今年は「海」のイメージがある本からスタート。
この言葉からぱっと浮かんだのは…福井晴敏『終戦のローレライ』です。


だいぶ前に映画化されましたんで、名前だけでも聞き覚えのある方結構いらっしゃるのではないでしょうか?
確かあの年は他にも福井作品映像化が目白押しで(戦国自衛隊福井版とイージスかな…?)、何かと話題の人だった気が。
で、例に漏れずミーハーな私はその影響をどっぷり受け…(爆)この作品に見事ドハマり致しました。あはは。


主に潜水艦が話の中心場面になるので、雄大に広がる大海原の様な「海」とは少しイメージが異なる感じ。
ですけど深い深い海の奥が、暗く色濃くもとても澄んだ「青さ」を放っている様に感じられた作品です。
まるで登場人物達の純粋さを反映するかの様な…。文字通り老若男女、様々な立場や生き方をしてきた者達が出てきますが、彼らの心の奥は…皆あまりに真っ直ぐなんですね。時にそれは青臭く、愚直にすら感じられますが、その凛とした姿勢には目を逸らせない眩しさと切なさがありました。


終戦直前の日本を舞台にして…はいますが、超能力少女や長髪ナチSSが出てきたり…。多分にファンタジー設定詰まってますけど、そこらを受け入れてさえしまえば後は人物達がどんどん先へ引っ張っていってくれます!!
実際私も、冒頭の実に読み難い数頁(爆)を越えてからは早い早いものでした☆中盤以降から、私の期待していた方向と大きく路線が違ってきて戸惑いを覚えつつ…も、全体としてとても情熱的なメッセージ性のある作品だったと思います。
どちらか言うとライトノベルに片足突っ込んでる感じの作風なので、それ系のノリが楽しめる方なら大いに堪能出来ると思いますよ♪


…因みに私、この作品に出てくるフリッツ少尉(前述の長髪SSです…)が、ツボにハマっちゃってハマっちゃってどうしようもありません…!!(滅)
恐らく歴代の好きキャラランキングを作るなら、間違いなくTOP3に入る位の!!ツボキャラです。熱くたぎる心をひねくれた態度で隠してる様がたまらん〜。
どの位好きかって、彼が映画に(殆ど)出てこないと知ってあっさり見るのをやめた位(どうなの…)。や、やはり設定が色々アレだったからか…?


そう言えば実はやはり「海」が舞台であろう、同著者の『亡国のイージス』は未読なのでございます(汗)。
このローレライ読んだ年続け様に→戦自福井版→川の深さは、と読んで、福井作品は少し間を開けようかな…と思ったままでした。また再開してみようかな。
 
 
 
福井晴敏著『終戦のローレライ』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1
(文庫版第1巻の情報です(全4巻))


企画元様→「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2007年11月 7日 (水)

006 「出会い」からイメージする本は?

「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」、次は「出会い」から連想される本〜。むむー、これ又色々なイメージが膨らんでいく言葉ですね!!
そんな言葉から思い浮かんだのは、正に2人が出会った「瞬間」を切り取った話…。Jeffrey Archerの「Love at First Sight」(邦題:「ひと目惚れ」/永井淳訳)です。


短編と言うか、ショートショートと言える位のごくごく短い話。この中に、人と人が逢うという「出来事」がくっきりと浮かび出されている作品です。
変な言い回しになりますけど、人と人との出会いって、互いに相手の存在に「気付く」事がないと発生しないんですよね。たとえどちらかが意識的に相手を見つめていても、もう一方が気付かなかったり意識の外にあった場合、それが「出会い」になる事はないのです。
それ迄結び付く事のなかった人同士が、正に「一瞬」をもってして通じ合う瞬間――。あまりに唐突で衝撃的であればこそ、人はそれを「運命」という言葉で表現したくなるのかもしれませんね。


何か話の内容に沿ってるんだか逸れてんだか自分でも分からなくなってきましたが…(滅)。ともかく、これぞ人の「出会い」!!と呼べる作品なのではと思います!!

収録されているのは短編集『To Cut a Long Story Short』。上記の作品も含めた、文字通り場面を切り取った様な味わいの作品が多く楽しめる1冊です〜。
実話を元にした話も結構含まれてまして、何とこの「Love at First Sight」もそのひとつだそうです。オドロキ。
少し前迄は、新潮文庫から『十四の嘘と真実』(永井淳訳)と言う邦題で翻訳本が出てたんですけど…最近本屋で見ないんです、よね。古本でしかないのかなもう…!?
んー一寸調べてみます。とにかく捻りの利いた話が詰まった短編集でっすー☆
 
 
…とりあえず、邦洋両方の書籍情報リンクを貼っておきます~。
Jeffrey Archer『To Cut a Long Story Short』(アマゾン)
Jeffrey Archer著/永井淳訳『十四の嘘と真実』→アマゾン bk1

企画元様→「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2007年11月 2日 (金)

094 「家族」からイメージする本は?

「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」、続いては「家族」から思い浮かぶ本〜。
これにはやはり、諸田玲子の『お鳥見女房』を挙げたいです。


作品のあらすじや感想については、既に感想記事を上げてますので…がっつりした話は省きますが。代々将軍家の鷹狩り関係のお役目を執り行う「お鳥見」職についている矢島家の、どたばたしつつもあたたかな日々を当主の妻・珠世さんの視点から優しく描いた物語です。
家自体にも隠居した先代当主、青年期を迎える息子娘が合わせて3人と、なかなかの大所帯で暮らしている中に。突然おチビ5人を引き連れた男やもめの浪人と、彼を仇と狙う女剣士が同時に居候する展開になってしまって…さぁ大変。
家の中に「他人」が入りこんだ事で生じる気苦労と、多くはない取り扶持の中でやりくりする問題…が、一気に珠世さんの肩にのし掛かる事となります…。


けれどもそんな事態をも、人の「縁」と思って心から彼らに向き合う彼女の姿がとても心地良い。


皆に惜しみない愛情を注ぎ、しかしそこには決して鼻につく印象を感じない。この難しい描写のバランスが、実に絶妙だと思います。
そして彼女の優しさに包まれて…居候の人々も含まれる、みんながまとまった「家族」になっていく。これも彼女の人物像に、「自分への酔い」がなくからっとしているのですんなり味わう事が出来ますね。
本当に心底から人のぬくもりは良いなぁ、と思わせてくれるほんわかしたお話です。


続編も現在、立て続けに文庫化されてるみたいで!!現在2作目を読もうかという所です〜。
1作目で持ち越されたあれやこれやの問題が、どうなっていくのか気になる所。


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企画元様→「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」

2007年10月29日 (月)

019 「お酒」からイメージする本は?

飲むもの繋がりで今度は「お酒」、参りましょうか(いくら飲み物でも、先に答えた紅茶とはえらい違いますよ…)。


この言葉から連想する本として、池波正太郎の『戦国と幕末』という本を挙げたいと思います。
小説ではなくて氏の戦国〜幕末時代迄の人物語りが中心の歴史エッセイなのですが、目次からして

・秀家と昌幸と酒
・福島正則と酒
・堀部安兵衛と酒

…と、酒にまつわる話もなかなかに盛り込まれている本なんです〜。


全体としてはこの間の歴史がどの様にしてつくられてきたか、そして人物達はどの様に生きてきたのか…を綴っているのですが。
この「酒」が関わった逸話では特に、人物達の人間臭さが滲み出ていて味わい深いです。
どの人物も酒を愛で、時に飲まれたりもしつつも…その一献一滴を大切に、大切に味わっていて。父子の絆を伝える酒、かつての敵将に贈った酒、長年の知己と身分の差を超えて楽しむ酒…。嗜む量は多くなくとも、身体の奥迄じんと沁み渡る様が実に良く伝わってきますね。

そして何より筆者の池波氏自身も、酒に対して非常に深い愛情を抱いているのが窺える筆致で。
次の様な文章からも、その優しい眼差しがしっかりと伝わってきます(以下、池波正太郎著『戦国と幕末』(角川文庫)より抜粋)。

権謀と戦闘の渦中を必死に泳ぎわたっていた武将達の心身をなぐさめるものは、やはり酒が第一であったろう。それだけに、彼らの激烈な人生は酒の香と共に、さまざまな〔思い出〕が強く印象づけられていたにちがいないとおもう。

何だかこういう酒の味わい方って、人生の酸いも甘いも乗り越え生き抜いた人にのみ許される「特権」の様にも思えます。いいな、そんな深みのある世界。


本自体も池波氏独自の歴史観が多分に綴られてますが、決して押しつける様な中身になっていないので。文章もかなり読み易く、特に幕末は数々の「生き証人」達の話も聞けて、とても引き込まれる切り口の語りが詰まってます。
ここら辺の時代に若葉マークな方、噛み締める様に味わってみたい方、小説をどうも敬遠しがちな方…幅広く楽しんで頂けそうな本だと思いますね!!
私にとっても何度も読み返したくなる、お気に入りの1冊であります☆
 
 
池波正太郎著『戦国と幕末』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

企画元様→「イメージが結ぶ100の言葉と100の本」