カテゴリー「書籍・雑誌」の34件の記事

2008年8月 8日 (金)

2007年下半期に読んだ本・買った本

…スミマセン何かもう本当色々……(低頭)。丁度7月からの分がたまっていたのと、対して量こなしていなかったので(寂…)、もう半年分を一気にまとめてしまう事にしましたcoldsweats01
読んでいたのはシリーズものの続巻や、ネタ系も含めかる~く読める文体の本が多くを占めていた感じです。この頃相当読書意欲にムラあったんですよねぇ…gawksweat02
 
 
では、読み終えた本のひと言(…!?)感想から参ります。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひと言感想です。
 
 
●佐藤大輔著『皇国の守護者(1) 反逆の戦場』 (読了:7月)
 中央公論新社 書籍情報:アマゾン bk1

作品の存在を知ったのは、これを原作とした漫画の評判を聞いて、でありまして。漫画の前に原作小説読んでからー♪と思い、手に取った1冊です。
世界観は近代日本の軍国的要素を多分に取り入れたファンタジー、って感じですかねぇ。大海原にぽつりと浮かぶ島国<皇国>が、領土・国力・兵力が途方もない程巨大な大陸国<帝国>の脅威にさらされる事となり。遂に侵略を開始してきた帝国軍に対し、為す術なく飲み込まれ様としていく皇国――しかしこの国には、あるひとりの”尋常でない”男・新城直衛がいたのでした…。
軍国ものにアレルギーある方だと厳しいでしょうが、それさえ除けば設定にストーリー、重々しくしっかりしていて興味が尽きない作品だと思います!!
但しこの1巻は、如何せん読み難かったですがねー…(汗)。これからいい所ーって辺りで、何かと状況説明等で流れが途切れてしまうので。
漫画の方はこの点上手い事解消されてて、絵柄内容とも質の高い作品に仕上がってると思います☆全5巻って何とも勿体ないですなー…。

●北方謙三著(全て角川時代小説文庫)
 『三国志 三の巻 玄戈の星』 書籍情報:アマゾン bk1 (読了:7月)
 『三国志 四の巻 列肆の星』 書籍情報:アマゾン bk1 (読了:10月)

ここら辺から自分的にノッてきました、北方三国志!!3巻は対呂布、4巻は対袁紹が見せ場となる、曹操躍進伝~といった感じでありましょうか。
ぽつぽつ散らばっていた群雄達も、少しずつ淘汰され始めてきた模様。徐々に「最終候補」が絞り込まれてますが、まだまだ目が離せないです!!
…やっと私もここらでエンジンかかってきました…(遅)。最初は独特の筆に慣れてないからかと思ってましたが、なぁに単にこれだけの長編シリーズものに慣れてなかっただけでした、ね(滅)。や、でもノッてくると面白いですね…長編。たまらん。
 
各巻長編感想も書き終えました…(汗)。
3巻はこちら 4巻はこちら

●宇江佐真理著『卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし』
 
(読了:9月) 講談社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

お江戸のグルメ+人情な連作作品~。偏食家の嫁・のぶと、食べるの大好き舅の忠右衛門とのゆったりした交流の中で、四季折々の美味珍味と共にのぶの精神的成長を描き出している良作です。
何より忠右衛門のキャラが良い!!ヒロインであるのぶにはそんなに感情移入出来なかったんですが、この忠右衛門の人柄にしばしば救われていた気がしました~。
後やはり、目の付け所がユニークで良かったですねー。食欲の秋に相応しい1冊でした♪
 
長文感想でもつらつら語ってます。こちらからどうぞー。

●梅田みか著(共に角川文庫)
 『愛人の掟2』 書籍情報:アマゾン bk1 (読了:9月)
 『愛人の掟3』 書籍情報:アマゾン bk1 (読了:10月)

……どうしたんですか、なるとサン…???と言われてしまいそうな、色違い過ぎるこの2冊……(滝汗)。いやいやこれと言って意味はなくて、本当に本当の興味本位なんです(言い切るのもどうかと)。下世話でスミマセン……。
2冊とも読んでいる分にはほほーう、と興味深かったですが、読み終えた後何か、もたれてきたんですよね…。基本恋愛体質じゃないんでしょう自分(言い切れるのも哀しい)。

●内海慶一著『ピクトさんの本』 (読了:9月) BNN新社 書籍情報:アマゾン bk1

本屋で見かけ、思わず放っておけなかった1冊(笑)。非常口案内やトイレのマーク等々、街のあちこちで今日もひっそり任務を果たしている「ピクトさん」達にスポットを当てたビジュアル本です~(!??)。
こういうネタ本に時にたまらなく心惹かれるんですよね~(笑)。
 
勢い余った長文感想はこちらからどうぞー。

他、買った本はこんな感じで。
 
 
<7月>
◆藤沢周平著『霜の朝』 新潮文庫 …あ、…買ってたのか…(爆)。
<9月>
◆佐藤大輔著『皇国の守護者(2) 勝利なき名誉』 中央公論新社
◆陳舜臣著『中国美人伝』 中公文庫
◆南原幹雄著『付き馬屋おえん 暗闇始末』 角川文庫
『しかけのあるブックデザイン』 グラフィック社編集部
◆藤岡和賀雄著『懐かしい日本の言葉 ミニ辞典』『続懐かしい日本の言葉 ミニ辞典』 宣伝会議
<10月>
◆泡坂妻夫著『鳥居の赤兵衛 宝引の辰 捕者帳』 文春文庫
 …今どこだろ(こら)。
◆藤沢周平著『風の果て(上)』 文春文庫
 …ドラマの為に買ったものの、頁開く前にドラマが終わってました(滅)。
◆藤沢周平著『神隠し』 新潮文庫
◆岳宏一郎著『群雲、関ヶ原へ(上)』 光文社文庫
<11月>
◆黒川鍾信著『神楽坂ホン書き旅館』 新潮文庫
 …読了。愛すべき変人ホン書き達にカンパイ!!



以上、2007年7月~年末迄のマイ本履歴一覧でした~。
相変わらず買った分消化し切れてない内容ですなぁ(ずけり)。そうして次から次へとたまり、上へ上へと積み重ねてゆく日々…。ぶっちゃけ言って、今ここでまとめて改めて思い出した購入本もいくつかあります(汗々)。
後9月の購入本が何となく毛色違うのは、この月に青山ブックセンターへ行ったからですね、きっと~。色とりどりのデザイン本に目移りしちゃって結局全部購入(計画性ナシ)。
 
 
 
さぁこれからやっと2008年分へ突入です…(呆)。今年も前半はあんまり本読めてなくて、ムラありまくりな読書録になっちゃいそうですけどbearingsweat01
取り敢えず上半期は、怒濤の勢いで十二国記を読みまくってました(爆)。語り出したら大変な事になりそうな…どうしたものかなsweat02

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2008年5月24日 (土)

B型とA型の説明書

今あちこちの本屋で見ますよねー、この『B型自分の説明書』『A型自分の説明書』(共にJamais Jamais著)。
3月頃に会った知人さん(B型)が、これのB型の本をご丁寧に自身のチェック入りで紹介してくれまして存在を知りました(笑)。まぁその時は面白いやー、位に見ていたのですが、それから本屋や新聞の広告で目にしていく内。……面白いかも、読んじゃおう。と2冊併せて手に取ってみたでス。


私はA型。で、先にA型の本を無造作にめくった所、目に飛び込んできたのがこの項目。

□ 流行が主流になると手を出す。
  たくさん見かけた翌日に買いました。みたく。




…さくっ(マス目にチェックを入れた音)。



とまぁ終始こんな感じで、「あるある〜☆」「いるいる〜!!」とほくそ笑みつつ読破した2冊です!!
全体に口語調の、かなーりライトな特徴データ羅列本でして。表題に血液型を謳ってはいますが、そんな押しつける感じもなく「あるっしょ?こんな時」って程度の笑える分析本になってまっす。

分析の傾向も、何と言うか世の共通認識?の範囲ガチガチに収まってるのではなく、もっと現代風にゆる〜く見ている所が既出の「血液型論」と違ってからっと楽しめた要因じゃないかなーと。結構広まっていったのも、この脱力スタイルによる所があるんじゃないかなぁ。
例えばA型だと「真面目でコツコツ几帳面」が良く持たれてる印象だけど、実はそれ「他人に迷惑かけたくない為で自分の事なら割とずぼら」だったり(←モロに当てはまってる人)。B型はマイペースって思われてるけど、とっても親身に相手の事を考えてるんだよー!!ってのが良く伝わってきたり。
この曖昧さが、結構現代社会の人間関係を良く反映しているなーと思うので。時世に合ってる作りなんじゃないかと思いますね。
'00s風の血液型考、といった新鮮な感覚で見させて貰いました。


血液型…って耳にしただけで「ムキーッ!!」と拒絶反応示してしまう人には、流石にオススメ出来ませんけど…。人並みにテキトーな血液型遊びを楽しめるならば、多分読んでて「ぶはっ」と吹けると思います(笑)。
そして私はコレ読んでて、B型が愛しくてたまりませんでした(笑)。
ピュアだ。ピュアだよー。



あ。超蛇足なのですが、B型の本で歴史上の人物でB型っぽい人の例に「信長」「坂本龍馬」「土方歳三」「レオナルド・ダ・ヴィンチ」が挙げられてたんですけどー。
坂本龍馬…も、世間ではBっぽく思われてるんですねぇ?へぇー。私はOの印象がありましたよ…(どうでも良いです☆)。
他の3人は、何となーく同意。歳さんはAに思えなくもないけど。



他にも最近はこの血液型面白おかしく分析☆系の本が色々並んでますけど、ぱーっと見てみた限りではやっぱこの本が一番楽しめそうです。「笑える感」と「あるある感」両方備わってたので。
この方のだったら、他の血液型についての語りも見てみたいなぁー。



※文中の引用部は、Jamais Jamais著『A型私の説明書』より抜粋しました。

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2008年1月 5日 (土)

2007年マイ・ヒット本5冊!!

年越しちゃった企画その2です(爆)。
2007年中に読み終えた本の中から、印象深かった本を5冊ピックアップしてみたいと思います~。
 
 
昨年も「2006年版」として、行いましたこの企画。今年も同じく実施致します。
もう年明けちゃいましたけど…言っちゃえば昨年も年明けに行いましたんでねこの企画(どういう開き直り方さ)。
内容は昨年と同様、対象は「私が2007年中に読んだ本」。作品発表年自体はこれより古いものも含みます。例によってリアルタイムな読書を殆ど出来ていないのも昨年と変わらずです(そこは威張れる所ではない)。
そして選ぶ基準は本能直感、これも昨年と同じくです(最早言葉もない…)。
具体的な内容としては、
 
・もう1度読み返したいと思ったか
・人様に自分なりの情熱を伴って薦める事が出来るか
 
 
この2点を選考基準とさせて頂きます~。
 
 
ではでは。昨年と同じ形式で、BEST5の第5位から発表して参りまっす。
長文レビューを書き上げたものについては、作品名からリンクを貼っておきました。宜しければご参照下さい。
 
 
第5位 大崎梢著『配達あかずきん』(東京創元社)

切り口が面白かった本屋さんミステリ!!正直謎解きそのものより、主人公達の職場である本屋さんでの知られてたり知られてなかったりする日常業務…の方が、興味の対象となっておりました。その位そちらの描写も細かく詳しく力入ってたんですよね~。
確かにミステリものとしては薄めな話が多いですが、さして物騒な事件が起こる事もあまりないので。気軽に読める+本屋さんミステリという新鮮さ、は評価出来る点だと思います☆
結構ドラマ化とかしても面白いかもしれませんねぇ。ヒロイン2人のキャラも立ってるし。後はやけに美形な男性店員を仕立て上げちゃえばオッケイでしょう(何がだ)。

第4位 宇江佐真理著『卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし』(講談社文庫)

これも食べ物と人情話の絡め方の妙、に座布団1枚な作品。ちょいと風変わりなお江戸の美味・珍味を媒体にして、主人公のぶの心情の変化をそれとなく描き出している良作です。
のぶ自身の気持ちに感情移入出来るか…は又別でしたけど(笑)。ピリピリしていた彼女に対しても、変わらぬほのぼの~としたお料理達の存在が結構滑稽だったり癒しをくれたりで楽しめたです。
そしてやはり、色々な意味で味わい深かったのが彼女の舅・忠右衛門のキャラクター性でしたね…!!最後の最後迄自由奔放、飄々としたご老人という表現が相応しい人物でありました。このじいちゃん、本当おいしいよ…。

第3位 陳舜臣著『中国畸人伝』(新潮文庫)

振り返れば2007年結構なヒット本となりました!!三国末期~唐にかけて、人知れずその名を世に残していた「畸人」達の物語。彼らのあくまでも自由を忘れずにいた生き様への感銘と題材のマニアックさ(…)から、見事TOP3入りを果たす事と相成りました。
本人達はその非凡な才に対して、何らの執着も持っていなかったのに。周りがそれを放っておいてくれなかったが為に、自分らしく自由に生きるという「望み」を何とかして守らなければならなくなった――という姿が、とりわけ印象に残りましたね。又こういう事が唯一の「望み」になってしまうのも、才覚ある人物だからこそ…という、俗人には理解して貰いがたい彼らの苦悩も伝わってきました。まぁ彼らはそれを分かって欲しいとは必ずしも思っていなかったでしょうが。
陳氏の文体自体も、結構好みなカタさがありました。この勢いで美人伝の方も買っちゃいましたよ…。

第2位 北村薫著『空飛ぶ馬』(創元推理文庫)

これは貸して下さった方に感謝しなくちゃ☆と思える一品でしたね~。落語家円紫師匠と女子大生の「私」でおくる、日常生活で見つかったほんの些細な「不思議」の謎解き。その姿勢は難問に「挑む」と言うよりも、不思議に思う気持ちを楽しみ乍らその謎に「触れる」と言える様な、穏やかで優しい筆致で描かれていました。
時にあまりに浮き彫りになった人間の綺麗でない部分…に、ずんと重い気持ちを抱きつつも。やっぱり世の中捨てたもんじゃないのかな、っと思える構成になっていて、救われた思いになりましたね。又それがあくまで静かに描かれていたからこそ、押しつけがましさがなくてすうっと胸に染み込んでいった様に思えます。
続編も現在貸して貰い中なので(昨年より継続中…)、近々読み進めたいと思います~。

第1位 藤沢周平著『驟り雨』(新潮文庫)

正直読んでる最中は、まさかこれが1位になるとは思ってませんでしたが…。読み終えて後、じわんじわんと時間をかけて胸の奥に味わいが浸透してきた短編集でした。
必ずしも人情に溢れたあたたかい物語ばかりではなかったの、ですがね。それが決め手だったと言いますか、藤沢周平作品の持つ救いも溟さもバランスよく詰まっていて、改めて藤沢作品が好きだ!!と思える作品集だった気がしてます。
なので恐らく、どの作品が気に入るかは読んだ人の感性が大きく反映されると思いますね。それも又個人的には楽しみだったり。今度藤沢周平薦める時にはこの本を推してみようかと思います。
そして勿論、その内容もここで紹介するに相応しいもので…。表題作の出来が私はやはり好きですね。それと「運の尽き」。どちらも(味わいは違いますが)ラストの余韻が好き~。




と!!2007年は以上の様な結果になりましたです!!

…で、今回の総評めいた事を少し語らせて頂きますと。
実は昨年は、とにかく読書の絶対量自体が非常に少ない年でありまして…ね。正直5冊選び出すのも、結構苦労する位でした…(汗)。
加えて正直に申し上げると、今回は小粒揃いの本が多かった様な気がしてます。さらっと読めるんですけど、印象には残らないと言うか…。これはまぁ本自体がどうこうというのではなくて、なかなか時間も心も余裕取れなかった私が敢えて軽めに読めそうな本ばかりを選んで買っていた…というのが一番の要因なのでありますけれど(苦)。
それでもTOP3の3冊は、その事踏まえた上でも胸を張ってお気に入り♪と言える良作であります。折をみてゆっくりじっくり語りたい作品達でありますねぇ~。
 
 
あ、因みに現在読み途中の北方版三国志…は、読破しておりません為対象外と致しました(滅)。まぁ長編作品なので最後迄読んでから決めたいなと。
…他にも結構、いいトコ迄いっててかなり面白さ満点なのだけど最後迄読み切れなかったから…!!と言う理由で、ランク外となってしまったのがいくつかございま…す。うん、来年の楽しみにとっておこう(早くも鬼が笑う発言)。
 
 
 
さてさて、これが終わると、よっし今年も読書楽しむぞ~って気になってくるんですよねぇ~(まだ2回目ですけど)。今年も読みかけ、買っただけ(…)な本達も含め、あれこれ好き勝手に読み散らかしていきたいと思います☆
読みたい本は増えていき…しかし休みは減っていく(涙)。嗚呼。

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2007年10月22日 (月)

2007年6月に読んだ本・買った本

そうそう気づいたんですよ。この月別読書録をまとめ始めてはや1年が過ぎまして、このままのタイトルでは時期が全然区別つけられなくなってる事に(もっと早く気づけよ)。
 

 
…という訳ですので、この月からタイトルを2007年6月に読んだ本」とさせて頂きます…。あはは。
 
 
さぁて6月の読了・購入本の話へ。
まだこの頃は、読書をする気力と集中力が保てた気候でありました…。ここから先は随分な惨状でス;毎年の事乍ら暑さにはダメだなー、自分。
 
 
では早速読み終えた本から。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。
 
●陳舜臣著『中国畸人伝』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

実は今年かなりの当たり本!!三国末期から唐の時代にかけて登場した、一寸へんてこな文人達を題材にした短編集です。
皆様々な分野にて非凡な才覚を発揮している名文人達ばかりなのですが、すんなり歴史に名を残す「偉人」にはならない「畸人」達。自らの意識するしないに関わらず、風変わりだったり意固地だったりゴーイングマイウェイだったり…あらゆる意味で「自由」を忘れずにいた人物達を描いています。
世の中の流れ等何処吹く風に見える様でいて、時代背景の移り変わりと共に彼らの「自由さ」の根本にも違いが見えてくるのが興味深いですね。個人的には未だ乱世の火種残る頃に、彼らが「自由」を手に入れる為如何に自らの才を世の中から「消す」か、に心を砕く様が非常に胸に響きました。
現在貸出中なので、長文レビューは返却され次第綴りたいです。…実はもうそろそろ返して貰いたいんですけど、こっちも三国志借りっ放しなのであんま強く言えないんですよねぇ…(どうしようもない)。

●北方謙三著『三国志 二の巻 参旗の星』 ハルキ文庫 書籍情報:アマゾン bk1

この巻から、徐々に人物達が動き始めます。うかうかしていたり自身の地位に胡座を掻いている者は、この辺からさっさと置き去りにされていってる模様ですね。
二巻は呂布の大暴れと曹操の熟考がとりわけ印象深かった巻ですね!!思い立ったら即行動(それが大体物騒事)の呂布と、石橋を叩いて叩いて叩いて尚渡る迄も一度考える曹操…比べてみると実に色の違った人物です。
未だ発展途上にいる劉備や孫策らも、段々と台風の目になってきそうな気配が見えてきまして。劉備自身のもどかしさがこっちにも伝わってきます~。くぅぅ。
…そしてこの巻は、どういう訳か私が夏侯惇に赤い実はじけちゃった巻です(痛いよ)。好きなんですよ…彼みたいな静かに熱い男。
 
更に長々書き綴った長文感想はこちら

●遠藤周作著『宿敵』(上・下) 角川文庫 書籍情報:アマゾン<上><下> bk1<上> <下>

昔に上巻だけ読んで長い事うっちゃってたんですが、ふと気が向いて下巻を購入&読了。加藤清正と小西行長の生涯にわたる「宿敵」としての関係を、行長の心理や葛藤を軸に描いた作品です。
…上巻読んだ印象では、このまま普通に豊臣家の凋落と共に両者の溝が深まっていき…やがて埋める事が不可能な程に迄深まってしまう運命のやるせなさを描いていくのかと思ってたんですけど…。寧ろ下巻からは、歴史異説風味的な雰囲気が色濃くなってきてました(汗)。
いやぁ上巻での清正と行長、そして絡めて登場する石田三成や福島正則との、想いの強さは同じなのにほんの少し考えの方向性が違った故に生じてしまったすれ違いの切なさ…を、もっと展開してくれると勝手に期待しちゃってたのでね!!(只の思い込み)ああいう方向に行長が向かっていくとは…なぁ…。話としては確かに興味深く面白かったですが。うぅでも行長や三成好きな人には諸手を挙げては…薦められない…(弱気)。
あ、でもやっぱこの本の清正はかっこええですー(惚)。無骨で実直な快男児で大スキ。

他、買った本達をつらつら。
 
◆山本一力著『かんじき飛脚』 新潮社
◆諸田玲子著『青嵐』 祥伝社 …石松と豚松の話!!
◆小野不由美著『黒祠の島』 新潮文庫 …読了。久々に人間にぞっとした…。
◆諸田玲子著『蛍の行方 お鳥見女房』 新潮文庫



来月からは暑さも本格化してくる事で。それに反比例する様に私の読書ペースは落ちて参りますので、又複数月まとめての作成になるかもしれません…(汗)。
ともかく少しでも早く追いつける様に頑張ります~。

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2007年10月10日 (水)

内海慶一著『ピクトさんの本』

たまにはちょいとネタ色の濃い本の話でも。


この本は先日ふと本屋で見かけ気になって買ったのですが、結構巷で話題の本の様ですねー。
今日の帰りに寄った地元の本屋でも、レジ前にかご積みされてました。
発行年月は2007年4月が初版なので、出てから少し経ってはおりますが。うちのブログにしては、珍しくキャッチーな本紹介の内に入ると思います(笑)。


さてピクトさんとは何ぞや、ですが。
非常口案内、路面凍結注意…等々、街の様々な標識の中で立ったり駆けたりぶつかったり転んだりしてる"あの人"が、何を隠そう本作の主役ピクトさんなのです。
時にさりげなく、時に強烈に人々の視界に入り込み、危険を知らせるピクトさん。この本では文字通り身を賭して注意を促すピクトさんの「生き様」に触れ、彼らの生態を「転倒系」「落下系」…等タイプ別に紹介していく形となっています。


基本の流れはピクトさんの国内外含めた活躍(!!)の様を写真で紹介し、それに対する感想や概説が付随する形。
アジア諸国や欧米の見慣れないピクトさんも取り上げられていて、好奇心をくすぐられます。

…が、この手の写真の羅列だけだと、せいぜい5、6枚もいけばやや飽きが入ってしまうものなんですよね。
そこをこの本は、丁度良いタイミングでコメントや番外編を挿入して変化をつけているんです。
ぱらぱらめくってふーん、な本かと思いきや、この効果あって次も次もと頁が進み!!意外にも、ラスト1頁迄きっちり「読み切り」さして貰っちゃいました☆


又この本の興をそそる所は、思いの外文章にも読ませられるだけの腕が光っている点なんですねー。
って何か、言い様によってはすごく失礼な話になってしまいそうで恐縮なのですが。「見せ物」本の様相を呈していて、実は実は「読み物」としても楽しめる部分が結構あります。
文章ってのは好みがあるので一概には言えませんけれど、軽快なんだけど軽薄になってない言葉の妙が、個人的には非常に小気味良く感じられました〜。



紹介されてたピクトさんの中で私が好きだったのは、実は「頭打ち系」だったりします。鈍い音が伝わってきそうな無機質感が何かスキ。
それからさりげに挿入されてる「ピクトさんの休日」コーナーで、変わり種のゆる系ピクトさんが見られるのが結構ツボです♪こういう小ネタは大好きだ〜。

時に欧米のピクトさんを見ていると、何故か脳内に響く擬音迄が日本のそれと違って聞こえてしまうのは私だけなのでしょうか…(笑)。
あちらの方々のピクトさんからは、どうも"Ooh!!"とか"AHHHHH!!"とかいう叫びが聞こえてくる様でならないんですが(偏見も良い所ですよ)。
うーんご覧になった方々の感想を知りたい所です(笑)。



…軽く楽しめる本なので感想も軽めに、と思ってましたが、又だらだらとスミマセン(汗)。
これからは、街の端々のピクトさんにもつい目がいってしまいそうでっす。



内海慶一著『ピクトさんの本』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

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2007年10月 8日 (月)

5月に読んだ本・買った本

3連休で唯一予定がなかった今日、一気にブログ記事3つ位書き上げちゃえ☆等と意気込んでおりました。えぇ意気込みだけで終わりましたが(沈)。
もうそれはそれとして悔やまない事にして、書きたい様に書き綴らせて頂きまっす。
 
 
で、月毎読んだ本シリーズ5月編。前回は11月だったので、随分間が空いてしまってますね…(苦)。要するにこの間は全くと言って良い程本を読んでいなかった訳なのです、よ。うぅ。
この5月も読めた冊数はさ程多くありませんでしたが、ざざっと感想綴ってみます。
一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。
 
●北方謙三著『三国志 一の巻 天狼の星』 ハルキ文庫 書籍情報:アマゾン bk1

ひょんな縁から文庫全13巻借りる約束をする事が出来ました、噂の北方版三国志。長年密かに気にはなっていたシリーズに、遂に手を出してみる事となりました~。
流石13巻分の超大作だけあって、この第1巻は序章も序章。これからこいつらが時代を変えてゆくぞー!!との人物紹介&顔合わせ的な様子でありましたね。
乱世全体を描いていると言うよりは、各人物達の中で渦巻く心理・感情にスポットを当てている部分が大きいですので。どちらかというと傑物個々人をがっつり楽しみたい方向けの様な気が致します。それも比較的メジャーで肉体派系統に分類される人物が目立ち気味かもー。
これから暫く楽しませて貰います♪
 
更に色々語った長文感想はこちらからどうぞー。

●北村薫著『空飛ぶ馬』 創元推理文庫 書籍情報:アマゾン bk1

これも貸して貰った本です。三国志と一緒に(笑)。
国文学部の女子学生「私」が、あるきっかけでお近づきになった落語家・円紫師匠との繋がりを通して、日常の些細なんだけど気になる「謎」を解き明かしていく短編集で。文学作品や古典芸能に造詣が深く思慮深げな「私」と、穏やかで一寸いたずらっぽくもある円紫師匠とのコンビがゆったりした日常の風景と上手に噛み合っています。
一応ジャンルとしてはミステリになるのでしょうが、物騒な事件が起こる訳ではなくて、本当に日々の営みで出会う一寸した不思議を謎解いていく話なんですね。道端に転がる石ころにふと気がついた時の様な、何て事はないんだけど何故か気になる…といった視点から展開していく物語です。それでいてタネは結構唸らせられるので、そこが爽快!!
又、何気ない日常の中だったからこそ、「気づいて」しまった人間の内面…それが決して綺麗なものばかりでない事に、時にどうにもならない冷たさを感じたりもして胸に刺さります。
それを顕著に感じたのが「赤頭巾」だったのですが。その直後の「空飛ぶ馬」で、やはり人間の善意のあたたかさに胸を打たれて締めくくられたのが押しつけがましくもなくて個人的に良い印象を感じました。この陰陽対になった流れはとても好き。
このシリーズも暫く追っかけて参ります!!

●大崎梢著『配達あかずきん』 東京創元社 書籍情報:アマゾン bk1

こちらも日常の些細な「謎」から展開していく短編集。特筆すべき点は、やはり舞台が本屋さん!!という部分でしょう!!
本を使った謎仕掛けもさる事乍ら、雑誌配達業務だとか取次ぎさんとのやりとりだとか…仕事そのものもかなり大きな軸になってますので、本屋さん自体が大好きな人にはたまらない仕掛けが詰まってます♪流石書店員出身の作家さんだけあるなぁ。
個人的にはどうしても読んだ流れから、上記の北村薫と展開力や表現力を比べて見てしまう所もありましたが…。ライトでポップに楽しめる本屋さんミステリ、って事で面白く読んだ作品でした☆
好きな話は「六冊目のメッセージ」ですね。自分が薦めた本がこんなにも相手の心に響いて残ってくれたら、正に感無量!!

●藤沢周平著『驟り雨』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

藤沢周平の市井もの短編集。あぁやっぱ私この人の作品好きだわ、としみじみ感じた1冊でした。
藤沢作品にはざっくり分けて、救いがなく重い余韻を残すものと比較的希望を見出せる形で終わるものがあるんですが。この短編集には、それらが大体半々の割合で収められています。
個人的に好みなのが、どちらの話でもすうっと滲む様な味わいを心に残す点なんですね。暗い話は本当、ぞっとする感情が長い事染みの様に残り。ほっとする話はどちらかというとほんの少し見出せた僅かな光、程度のあたたかみなのですがそれも又いつまでも胸の奥にじいんと残っている。
この本には割とその感触がしっかり表れている作品が揃っていて、数多い藤沢短編作品集の中でも出色の出来になっている気が致します。楽しみ所がひととおり詰まっている感じ。あまり意識せずに購入した本だったのですが、いやこれはめっけもんでしたねー。
好きな話は表題作「驟り雨」と、「運の尽き」。優しさと話の捻りが非常に心地良かったです。
折をみて長文感想も試みてみようかなー。

他、買った本。
 
◆池波正太郎著『元禄一刀流』 双葉文庫
 
 
この月は珍しく、買ったのは上の衝動買い本1冊のみでした。結局読み切れてない現状を踏まえれば、良い傾向なのか、なぁ…?
 
 
こうやって本の感想を思い起こしつつ書いていると、又むくむくと読書願望が湧き上がって参りますー。今年はこのリズムを繰り返している様な。
今はせっかくの読書の秋、ですので、この機を逃さずさくさく読んでいきたいですね♪

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2007年9月18日 (火)

本日の衝動買い本

連休の最終日、いつもの様にふらふらと本屋に立ち寄ったりしまして。
何を買うでもなく、見るだけ〜のつもりが…いつもの様に、結局レジにてお買い上げってな顛末でした。あは。


やっぱり数多の表紙背表紙を眺めてる内、気付けば2、3気になって手に取っちゃってるんですよねぇ。
とりわけ文庫コーナーは、いつもファイナルラップはいつなんだって位にぐるぐる何周もしてしまいます。


でまぁ、今日手に取ったのは南原幹雄の『付き馬屋おえん 暗闇始末』
裏表紙あらすじに依ると、吉原遊女屋から依頼される代金取り立て屋稼業を受け継いだ器量よし、おえんの剛腕始末帳…といった流れの様で。目のつけ所が面白そうだなー、と興味を抱いた訳でした。

しかしこれだけじゃあ何か艶っぽいしなぁー。もひとつスッキリかスカッとか、後味さっぱり路線もセットでいこうか…とも思ったのです。
んで、又暫しうろうろうろ…。



……最終的に手にしたのは、梅田みか『愛人の掟2』でした。
……誘爆してどうする(滅)。


ちなみにこっちは、スミマセン完全に下世話な興味本位からで…す…(沈)。
未知なる禁断の領域を、そっと遠目から覗き見てみたい様な。悪趣味でスミマセン(汗)。


あーそれと、石月正広の結わえ師紋重郎も、続編が出ていたんですねぇ。
悩んだ挙句に結局は棚に戻しちゃいましたが、うーん読んでみたい様な気はしてます。
前作には、面白いは面白いけどもうひと息ー!!という印象を受けたので。今度はどんな展開にしてくれるのか、興味深い所です。



しかし結局、この連休に書くと言ってた記事はひとつも上げられませんでしたね…(凹)。
書きたいーといきむ程、何処からどうやれば良いのか悶々と考え込んでしまいます。
三国志は本当、早い内に上げたい…。次が次が!!(切実だ)

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2007年7月16日 (月)

11月に読んだ本・買った本

ささ、時間が出来てる内にガンガン参りまっす~。
 
 
先ずは読み終えた本から。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。
 
●司馬遼太郎著『功名が辻(四)』 文春文庫 書籍情報:アマゾン bk1

ずっと最終巻だけうっちゃってましたが……(汗)。山内夫妻の一代記、ここに完結です。
決着のつけ方が非常に印象的でしたね。本来凡庸の域を出ない夫をあの手この手で支え、時に誘導し、こつこつこつと「功名」を積み重ねて辿り着いた「夢」の座――。しかしそこで待ち構えていたものとは。
努力は報われる、とは良く言ったものですが、これはその"逆"の是非について問いかけているとでも言いましょうか。一心不乱に歩んだ結果苦労が実を結ぶ事と、分不相応な理想の為に力を注ぐ事は似て非なるものなのではないか――最後に千代が一豊に向けて発した言葉に、そんな暗示が含まれていた様に思えます。
かくいう千代自身が、あの"事件"が起こる迄実は一番の執心を見せていた…というのが、これ又皮肉な話ですね。
全体としては多少の中だるみがありつつも、最後迄軽快に読み進められた作品でした。

●峰隆一郎著『虚陰十郎必殺剣』 廣済堂文庫 書籍情報:アマゾン bk1

相当昔に古本にて購入した本。えろでーす(露骨)。
物語は究極に虚無的な浪人・虚陰十郎が、成り行き上ある謎めいた書簡を届ける任務を引き受ける事となり。道中繰り広げられる刺客との対決、女達(刺客含)との淫靡な交わり、そしてその影に潜む陰謀――クライマックスはこちらも妖しげな剣士・青蛾妖之介との真剣勝負、という流れです。
実はこういう冷酷でいて結構内面あれこれ考えてしまう主人公、嫌いじゃないんですよね。しかし如何にも男性向けなむんむんの肉欲シーンの連続…→食欲減退へ(苦)。いやぁそれはそれとしても(!?)コレああいう終わり方ってこのテのニヒリズム剣豪作品の常套手段なんでしょうか…毒にも薬にもならねぇッスよ(不躾)。
しかしコレ、何よりも仰天なのは高校文化祭のバザーで出品されてた事でしょうかね(爆)。色々どうなってるんだ……!!

●町田康著『パンク侍、斬られて候』 角川文庫 書籍情報:アマゾン bk1

…これら読了本の紹介順は、その月の読み終えた順番通りとなってます。我乍ら随分と対極的な嗜好を持ってるというか節操なさ過ぎでしょうよこの流れはさ(笑)。
こちらも主人公は剣豪浪人。しかし打って変わってだるだるです…。「腹ふり党」というカルト集団の脅威に立ち向かう!!と思いきや、出てくる連中どいつもこいつもゆるキャラで、おまけに皆一番かわいいのが自分なもんだからやりたい放題。
しかしそのツケがいずれ回ってくる事となり…大混乱の様相を呈する様は、滑稽なのに何か笑えないシュールさがあります。
ハマるとクセになりそうでこわいなぁ、この作風。
 
長文感想も上げちゃいました…。こちらからどうぞ。

●Stephenie Meyer著/小原亜美訳『トワイライト1 愛した人はヴァンパイア』 ソニー・マガジンズ 書籍情報:アマゾン bk1

表紙の絵柄が好みだったので購入しました(素直)。10代半ば位?の女子向けな学園ファンタジー小説です~。
顔は十人並み、運動神経皆無…のヒロイン・ベラが、何故か自分にだけ必要以上に冷たい美青年・エドワードに自分でも訳が分からぬまま惹かれていって…というお話。展開にさ程の新鮮味はないですが、ぎこちない両者の接し方やクールに見えて結構好きな子避けちゃう系なエドワードが見ていて甘酸っぱいです!!胸キュン☆それぞれに意識・無意識含めた秘密もあるみたいですしね~。
タイトルに反してこの巻は後1歩で真相が!!というもどかしげな終わり方をしておりますので(爆)。続き気になって2巻も購入済です…。

●ヤマサキリエコ著『はんなり豆腐』 メディアファクトリー 書籍情報:アマゾン bk1

和むわぁ……。

他、買った本諸々。
 
◆奥田英朗著『イン・ザ・プール』 文春文庫
◆吉永正春著『太宰府戦国史』 太宰府天満宮 …福岡旅行中に…こんな所で迄…。
 
 
えと、ここから先、私の読書生活は休止状態に入っていきまし…た。何が忙しかったって事も…なかったんですけどね。
てな訳で、次はいきなり2007年5月迄飛びます!!
といっても、大して季節感のあるラインナップでもありんせんが(笑)。又暇をみて記事上げたいと思いますー。

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10月に読んだ本・買った本

んーいやはや、すっかりたまったもんですなこちらの方も(爆)。
一時期更新中断してしまってましたからね…。本当すみませんでした。
 
それにしたって10月って今更過ぎでしょ、っというのは承知の上で(苦)懲りずに又も再開させて頂きます…。
諦め悪くてスミマセン。こんな感じで半お蔵入り状態のネタはわさわさありまス(沈)。
 
 
先ずは読み終えた本から。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。
 
●藤沢周平著
 『風雪の檻 獄医立花登手控え(二)』 講談社文庫 書籍情報:アマゾン bk1
 『愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)』 講談社文庫 書籍情報:アマゾン bk1
 『人間の檻 獄医立花登手控え(四)』 講談社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

月を跨いで読破致しました。若き牢医者・立花登を主人公に、捕物帖と青春奮闘記を程良く混ぜ合わせた好シリーズです!!
藤沢作品らしい、しっとりした情愛描写に加え。登や周囲の仲間達から伝わる瑞々しさが、その湿度を丁度良く中和してさっぱりした後味を残す仕上がりになってますね。
じわり、じわりと、心身共「大人」に近づいていく登達の姿が、微笑ましくてくすぐったい様な。そんなもどかしさが感じられるのは、筆者の彼らに対するあたたかな眼差しが伝わってくるからなのでしょうね。
 
長文感想はこちらから。『「檻」シリーズ』として上げてます。

●恩田陸著『ドミノ』 角川文庫 書籍情報:アマゾン bk1

恥ずかし乍ら初恩田陸です。文句なしに面白かった!!
東京駅を円心に繰り広げられる、種々諸々の人間模様。ばらばらに展開されるそれらピースをドミノ並べの様に幾枚も並べ、それぞれが絡み合った時――一斉に、音を立てて事態が急転していく。徐々に勢いを増していくノンストップ作品です。
スクランブルに交ざり合う中でも混同させない状況描写、全体の構成力。うまい!!と思わず唸らされました。他の作品も読んでみたくなる巧みさがありますね~。
 
長文レビューも上げました。こちらからどうぞー。

●石月正広著『笑う花魁 結わえ師・紋重郎始末記』 講談社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

ふと本屋の棚で見かけて購入。何でも結んで解く「結わえ師」というユニークな手業が武器の、紋重郎痛快始末記です~。
「結わえ」の分野は縄紐に止まらず、人間同士の「絆」をそっと取り持つ手助けもしたりと。結構活躍の幅は広かったですね。
あれこれ盛り込んでるのはとても楽しかったのですが、長さの所為か何となく芯が定まってない様にみえてしまったのは勿体なかったかも。短編連作型で見てみると又面白そうですねー、って私が最近この型に慣れきっている為かもしれませんが…。
あ、後割とねとりとした下ネタもあったりしますんでこの辺も好みが分かれそうでス(汗)。そこそこさらりと描かれてはいるんですけど…。

他、買った本。
 
◆諸田玲子著『其の一日』 講談社文庫 …読み途中。グッとくる味わい深さがある!!
◆五條瑛著『熱氷』 講談社文庫 …読むよ!!Sさん!!(私信)
◆帚木蓬生著『国銅(下)』 新潮文庫 ………やっと見つかった……。
◆新田次郎著『武田三代』 文春文庫 …後少し。同氏の長編作の外伝的短編かな?
◆司馬遼太郎著『功名が辻(四)』 文春文庫 …わ、まだだったか(汗)。
 
 
こんなかんじで。この月は入りに檻シリーズ一挙読破に精魂注いだ為か(…?)、後半勢いが尻すぼみ状態でした…。情けねぇ(ずけり)。
11月はもう少々…?読んだ様な。そしてその後長い充電期間に突入します…(って言えば聞こえは良いけどさぁ……)。

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2007年7月15日 (日)

町田康著『パンク侍、斬られて候』

これ又読み終えたのは大分前な小説です。
いつもの長文レビューの様な、「オススメ!!」「ハマった☆」という感情の湧き上がりとは少し違うのですが、結構強い印象を残す作品だったので少々語ってみたいなぁ、と。
 
 
きっかけは本屋をぷらぷらしている折、例によって目についた本でして。結構タイトルの奇抜さに気持ちを惹かれるものがあったりした訳です。
ですんで、まぁそれなりの心構えでもって臨んだつもりだったのですが…。
 
 
…冒頭の雰囲気は、それ程妙でもなかったんですよね。
舞台設定はおそらく一応江戸時代。のどの辺りかって迄は明確じゃありませんが、武家社会の封建制度がまだ受け入れられている頃で、しかしそれなりに長い事この形で機能してきただけに緊張感の類は薄れつつある頃。ここらをベースに少々の架空設定が加えられたって所でしょうか。
まぁ多少句点の打ち方が間隔あり過ぎたり、かと思えばやけにぶつ切りになったりとか。いやに人を食った様なダルいオーラが漂ってるなぁ、程度の印象は受けましたが、普段読んでる時代作家とは雰囲気違って当たり前だろなー位に捉えておりました。
てな感じでとんとんとんと読み進めていく内……。

『戦場のところどころに柱が立っていて、その先端にはスピーカーが設置されており、「イマジン」が流れている。やがて正気に返った侍達は敵と目があうや、じきに目を伏せ、気絶した者どうし、照れくさそうに頭をかく。そして今度目があったときはもう仲間だ。ふたりの若者は美しい笑顔で笑う。そこへガンジャがまわってきてみなで一服をしていると、丘の上、あほらしくなって城に帰った御大将が陣取っていたあたりにいつの間にか特設ステージができていて、ボブ・マーリィ&ウェイラーズが演奏を始める。「ワンラブ、ワンハート、レッツゲットギャザーザアンフィールオーライ…』

ぱたっ(思わず本を閉じた音)。
何これ。
 
 
 
 
……タイトルからして、ふつーの時代小説とは一線を画しているのを重々承知しておりましたが……。
こうきたか、って感じでしたね。
 
 
 
しかしまぁ、私の読書に於けるポリシー(なんて高尚なものでもなく性分に近い)からして、「とりあえず心底読む気が失せる迄は読み続けよう」と思い直し。再び頁をめくり始めました。
 
したらばあらら、意外とすんなり読めちゃいましたねー。
 
 
多分コレ、単に奇をてらっただけの作風だったならきっと途中で興を殺がれたと思います。
それでもこの偏屈な私をして(爆)最後迄読ませ切ったというのは。無茶苦茶な設定や展開と、鼻につかない程度のリアリティのバランスが絶妙だったと言えそうな気がしますね。
 
 
話の起こりは、新興宗教「腹ふり党」がのさばる事で藩に与える脅威、が主人公・掛十之進によって声高に語られ。それに立ち向かうと見せかけて、それぞれが胸に抱く思惑や策略…を、全体的にだるだるした雰囲気を纏ったまま展開していきます。
皆がなぁんとなく事なかれ主義、面倒な事は別の誰かに押しつけよう…といった半端な要領の良さを持っていて。若しくは、大変な事になるかもしれんけど何か自分だけは大丈夫な気がするんだよね、といった"根拠のない"楽観主義者であったりするんですね。
そうやってこそこそ問題を棚上げ・たらい回しにしていく内、深刻な危機的状況に直面せざるをえなくなるという…。そんなのっぴきならない事態において、無様な迄に本性を見せる人物達の姿は自業自得と嗤える様でもあり、自分自身の汚い部分を目の当たりにした様でぞっとしたりもします。
 
 
歴史・時代作品を語る上で「現代社会と重なる部分がある」という表現を用いるのは、個人的に実はあまり好きではありません(あくまでも個人的な、自分が語る上で、という点ですが)。
時代が違えど価値観が異なれど、結局の所は同じ「人間」が築いてきている歴史ですので。生じる問題や課題なんかが今と似通っていても、さもありなんと思われるんですよね。勿論それに対する考え方や解決法は違ったりもするのですけど。
…その事を踏まえた上でも、敢えてこの作品には「現代社会と通じる部分があって興味深い」という表現を用いさせて頂きたい……というか、もうあからさまに現代人の発想を登場人物に当てはめているのがいっそ清々しいんです(爆)。
 
 
例えば、十之進の見事な太刀捌きと彼に吹き込まれた危機的情報に顔色を変えた侍が、上役宅を訪れ彼を推挙する場面。
又引用が長くなってしまうんですが、

『「で? その掛十之進という者はいかなる素性の者じゃ」
「は。素性はしかと知れませぬが相当の人物と見ました」
「うむ。相当の人物。大したものだ。最近ではもうそこいら中に相当の人物が溢れている。みんな一廉のものだ。家中は相当の人物で溢れておる。相当の人物しかいないといっても過言ではない。しかしこれは実は困ったものでなあ。相当の人物は相当偉いから相当の仕事を与えねばならぬ。ところが家中の御役には相当の仕事というのはない。どれもこれも取るに足らぬくだらぬ仕事ばかりだ。というかそういうくだらない仕事が集まって実に大変な仕事になっているのだが家中の相当な人物どもはこれに気がつかない。…(略)僕には武士のプライドがありますからそんなことはできません、などと吐かしおって、しかもその顔つきを見ていると、そういうことを出頭家老に向かって言うヒロイックなボク、に酔っているような様子で実にもう大した人物だ。…(略)しかし組織というものは不可解なものでそういうアホが責任ある地位についてしまうこともままある。ところがアホは組織の間違いによってではなく自分が偉いから責任ある地位につけたのだと思いこむ。これは様々の混乱を招く。アホはアホなので儂の指示を理解できない。理解できないのなら聞きに来ればよいのだがアホは自分が賢いと思っているから聞きに来ない。で、どうするかというと自分勝手な間違った解釈で仕事を進める。…(略)「偉いオレ」に固執するあまり間違ったプランをそのまま進行してしまう。…(以下略)」』

これなんてもう、現代社会のそれなり以上の地位にいる会社の管理職さんそのものじゃないですかー!!(笑)連想させるとか照らし合わせるとかいう次元じゃなく、もうまんまですよ。

でねぇ。これだけ露骨な現代目線で弁を振るわれると、当然の如く心情が手に取る様に分かるんですね。中身も結構赤裸々なもんだから、余計気持ちも入り易い。
会社の中間管理職丸出しの出頭家老・内藤帯刀、絵に描いた様な凡庸サラリーマンの一藩士・長岡主馬、そして主人公は脳内思考フリーターの浪人・掛十之進。現代人きどりの振舞いを見せる彼ら登場人物ですが、それなりに時代作品を期待して読み始めたにも拘わらずぐんぐん引き込まれてしまうんです。
んー上手く表現出来ないんですが、彼らのぐだぐだ感が全体の緩い空気感とうまい事フィットしているんですよねぇ。それでいて変に武士っぽくカタい所はあって、江戸侍の大真面目さから生まれる滑稽さも残っている。
只時代物を今風に仕立てたら面白いだろ、みたいな安っぽさではなく、荒唐無稽な話を堂々あっけらかんとやってみせる辺りに、最後迄引っ張り込ませた勝因(?)があった様に思えました。
 
 
後密かにほくそ笑ませて貰ったのが、時折顔を見せる色合いの違った風刺表現です。

『剣術ができる奴というのは自分しかないというか、自分をいったん離れて物事を考えることができない困った連中でね、例えば滅茶苦茶なこと、例えば金子百両を拝借したい、なんてなことを平気な顔をして頼んでくる』
『女が去った後、不思議な、屁のような香りが立ちこめていた。』

や、どうも、所謂「王道的剣豪作品イメージに対するアンチテーゼ」みたいな匂いも漂ってきまして。こういった辺りからも、それなりの覚悟を持って開き直って書いてんだなーというのが(!?)伝わってくる様な感じもしました。
 
 
 
こんな感じで、全体の雰囲気は相当にゆるゆるですー。
例えるならば、週刊少年ジャンプの『銀魂』という漫画、アレの雰囲気が楽しめる(又は許せる)方なら結構楽しめるかと思いますね。まぁ『パンク侍』の方が数段シュールだと思いますけど。
毛色の変わった作品に触れてみたくなった方、ひたすら愉快でトリッキーな世界に浸かってみたくなった方。ひと夏のアバンチュール(!??)に如何でしょうか。
 
 
 
それにしても、今回はやたら引用部ばかりで申し訳ないです。
独特な作品故、つい原文の個性に頼ってしまって…うう、自分の表現力不足を痛感した思いです。;
こういう時に、己の真の実力を思い知らされるんですねぇ。
 
 
 
※記事内の『』部は、町田康著『パンク侍、斬られて候』/角川文庫より抜粋しました。
 
町田康著『パンク侍、斬られて候』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

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2007年1月 5日 (金)

2006年マイ・ヒット本5冊!!

…え、今更2006年の話~?
というツッコミはどうぞお手柔らかにお願い致します(滝汗)。
 
 
本当は昨年中にまとめておきたかったこの企画。色々あって、新年の今迄流れ着いてしまいました。
や、せっかくブログを始めてあれやこれや感想も書かせて頂いてたので。1年間で特に印象に残った作品、気に入った作品等を、自分なりにまとめてみたいなぁと思い立った訳です。
 
 
で、まずは本について。2006年中に読み終えた本達の内これは!!と感じたものを5冊、ピックアップしてみたいと思います~。
対象は「私が2006年中に読んだ本」。なので作品発表年自体は、これより古いものも含まれます。つか当年発表作なんて殆どリアルタイムで読めてません…(情報に疎い)。
おまけに読む本を選ぶ基準はミーハー心&フィーリングに拠る所が多分に大きいですので。現代日本文学の傾向と対策(何)みたいなのを知る上では全く参考になりません…申し訳ない。
 
選考の基準となるのは、以下の2点。
 
・もう1度読み返したいと思ったか
・人様に自分なりの情熱を伴って薦める事が出来るか
 
 
これらの観点から選びました、2006年のマイヒット本を以下に綴らせて頂きます!!
長文レビューを書き上げたものについては、作品名からリンクを貼っておきました。宜しければご参照下さい。
ついでなんでBEST5っぽくしてみようと思い、一応の順位もつけてみました。まぁこちらは気分によっても前後致しますので、参考程度にでも。
 
 
第5位 田中啓文著『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』

成り行きで落語家の内弟子になるハメになった元ヤン青年・竜二が主人公の、シリーズ第1弾。とんち風味なミステリを組み込み乍ら、流れとしては竜二の人間的成長に重きを置いた青春小説型になっています。
魅力ある個性派キャラ達、青春真っ盛りな竜二の青臭さ、胸あたたまる人情話。すっかり引き込まれましたね~。
そして毎回の話と落語の絡ませ方が実に絶妙!!そこはかとなく話の内容に沿っている上に、落語作品そのものの味をしっかり引き出しているという…。読み終えた後落語が聞きたくなる衝動に駆られる小説、ってスゴイと思いましたよ!!
06年に第2弾が発表されたのですが、インパクトとしてはやはりこちらあっての…という気がしたので。1作目の方を選ばせて頂きました。

第4位 佐々木譲著『黒頭巾旋風録』

スカッと痛快時代小説!!という言葉が実にしっくりくる、非常に爽やかな物語でした。読後の爽快感がピカイチだったので選出です。
藩の圧政に苦しむアイヌの人々を救う為、ひとり立ち上がった「黒頭巾」。彼の真っ直ぐで揺るぐ事ない信念は、抑えつけられ下を向いていたアイヌの人々に勇気と希望を与え…ひとり、又ひとりと前を向き、立ち上がり、そして歩き出す。割と正統派路線のヒーローものですが、作中に拡がる熱さと清々しさは心地良いものがありましたね。
ラストでの捻りの利いた一言にも、ニヤリとさせられます~。
近い内にもう1度、読み返してみたいですね。そして長文感想を書く!!(まだ諦めてなかったんかい!!)

第3位 藤沢周平著『橋ものがたり』

「橋」をテーマに市井の人々の哀楽を綴った、テーマ型短編集。別れの橋、出逢いの橋、約束の橋…それぞれの人々の想いを、しっとりとした藤沢節で描いています。
「橋」ひとつでこんなに胸に迫る作品を生み出す事が出来るなんて…。世に広く注目されている剣豪ものの潔さも好きですが、こういう日常のさりげなさを切なく描いた藤沢作品も、私としては非常に好みです。
世間の評判通り、『本所しぐれ町物語』と並ぶ秀逸な短編集だと思いますね。藤沢作品が注目を集めている今、是非ともお薦めしたい一冊です。

第2位 諸田玲子著『お鳥見女房』

将軍家お鳥見役を代々仰せつかっている矢島家、その現当主の妻珠世さんを中心に描かれる、どたばたほんわか人情劇です。
次々に出くわす事件や問題を、明るさと機転で乗り切っていく珠世さん。けれどこのテの女性につい見られがちな、出しゃばり感とか鼻につく賢女ぶりとかが全然感じられないのがこの作品の特長ですね。
女性らしくもさっぱりした気性と、押しつけがましくない優しさ。気付けばもっと珠世さんの近くにいたい…と思わせてくれる人物像です。
正直女流作家さんでこうもからっとした女性主人公作品を描くとは思いもよらなかった為、良い意味で衝撃を受けた作品でした。つい先日はこちらの第2弾が待望の文庫化!!致しましたので、近々読んでみようと思います☆

第1位 遠藤周作著『沈黙』

いやもうこれは…心の臓の奥の奥迄衝撃を受けた、と言いますか。あまりに重苦しい心理描写に、読後暫く身体が動かない位の圧迫感を覚えた記憶があります…。
禁教令が敷かれた江戸時代に於いて、神への信仰と喪われる信徒の命との間で苦悩する宣教師の姿。「信じる者は救われる」と人々に説いてきた彼が、「信じる故に殺される」様を目の当たりにした時の衝撃、苦悶、葛藤――。
そして苦しむ彼の前に尚立ちはだかる、救世主たる筈の神の「沈黙」。ずしずしとのし掛かる様な追い詰められ方に、終始息を呑むばかりでした…。
答えの出ない問いを、それでもすがる様に問いかけている作品。様々な意味で胸の奥に焼きついた作品です。

 
 
と、以上の様な結果になりました。
印象深い本達を挙げている筈なのに、肝心のレビューが書き上げられてないのは…スミマセン(平伏)。結構タイミングを逃してる作品も多々あります…。
がっ、諦めてはいないので…今年こそ絶対…!!(往生際が悪いとも)


選考の際の傾向としましては。正直『沈黙』が飛び抜けていて、他は結構絞り切るのに悩んでました。まぁそれでも『お鳥見女房』『橋ものがたり』辺りは漠然と圏内にはいた感じでしたが。
作品そのものの傾向としまして…も、やはり『沈黙』ひとつが異質ですね、この中では。他は割と救いのある人情話ばかりなのに、これだけが重い…。
でもこういう重厚な作品に触れるのも非常に有意義だと思いますので、今年も勇気を出して挑戦していきたいと思ってます。…自分の心理状態によって相当影響受けそうですけど…。
 
 
さぁて、2006年を(今更)振り返った所で!!気分も新たに、2007年も読書に励んでいきたいと思います~。
因みに新年一発目の購入本は『高坂弾正』(近衛龍春・PHP文庫)でっした~。『風林火山』の後にでも読みたいなぁ…!!

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2006年10月22日 (日)

9月に読んだ本・買った本

9月が終わってだいぶ経ちましたが…。
10月迄終わる前に、先月の読了本・購入本をまとめておきまっす。
 
 
先ずは読み終えた本から。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。

●帚木蓬生著『国銅(上)』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

時は奈良時代。都に大きな、大きな仏像造営の命が下り、各地から多くの人足達が集められる。後々迄世に残る大仏像完成の陰には、彼ら名もなき人足達の密かなドラマがあった…。
奈良の大仏像造営の話を、ひとりの少年人足の成長と共に描いた静かな物語です。
概要から「プロジェクトX・奈良時代編」みたいな展開かと想像してましたら。もっとずっと、人足達の人間描写を重視した内容になってますね。
重労働乍らも悲壮感漂う辛苦はなく、同時に胸躍る大きな希望もない…しかしそんなちっぽけな日々の中で、出会えた些細な喜びや幸せをそっと胸にしまって生きる。穏やかで淡々とした筆致だからこそ、伝わる人の世の哀楽があります。
ドラマチックに描かないからこそ生まれるドラマ、とでも言うのかな。こういう静かな描写はとても好き。
…下巻は只今絶賛書店捜索中(笑)。あんなに平積みされてたのに…!!

●田中啓文著『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』 集英社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

本屋でピックアップされてた文庫化ほやほやの本を購入~。裏表紙のあらすじで既に設定が面白そう!!と期待してたのですが、期待以上に笑って泣ける好シリーズでしたよ~☆
鶏冠頭のグレた問題児が、ひょんな事から噺家の弟子になる羽目となり。気乗りしないまま続けていく内に、飲んだくれ師匠の噺の技の虜になっていく…落語ミステリと青春小説を上手く掛け合わせた連作短編集です。
元ヤンの新米内弟子・竜二の青っぽさが良いですね!!青年の成長物語としても楽しめますし、落語が聞きたくなってくる様な細かな演出も巧みです。
続きが読みたくなるシリーズですねー。

長文レビュー書きました。こちらからどうぞ。
ついでに落語聞きたくなって、こんな記事迄上げちゃいました…。

●永井路子著『一豊の妻』 文春文庫 書籍情報:アマゾン bk1

戦国乱世をそれぞれの強さで生き抜いた「女性」がテーマの短編集。独特の人物観で、生き生きと逞しい女性達を描いています。
人物描写があんまりに個性的なのは、好みが分かれそうですが。短編としての仕上がりはなかなかのものがありましたよー。
エネルギッシュな生き様が伝わってくる作品集です。

それぞれの短編にも触れた長文レビューはこちら

●田中啓文著『ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺2』 集英社 書籍情報:アマゾン bk1

今夏出たばかりのシリーズ第2弾。文庫化が待ち切れなくて買っちゃいました(照)。
今作では「謎解噺」はスパイス程度で。竜二の青年らしい悩みや葛藤が描写の中心になっています。
がむしゃらにぶつかっていく竜二の姿と、見守る周囲の人々のあたたかさに、胸がじんとする作品でしたよー!!
このシリーズで、作者の別作品にも興味が湧いてるのですが…結構他はシュールな世界観でやってる様で?(汗)うむむーどうしたものか。

又も長々語っちゃってます…レビューはこちらから。

●藤沢周平著『春秋の檻 獄医立花登手控え(一)』 講談社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

この秋ドハマリの一品。志高く江戸にやってきた若き医師・立花登が、牢医者として勤める中で出会う事件、人間、情愛…を、藤沢作品らしくしっとりと描いています。
主人公は医者ですが、中心となるのは人々の心情に関わる描写。牢に送られる様な罪を犯した者が持つ独特の「陰」を…真っ直ぐなぬくもりと絡めて描く技は流石藤沢節、です。
柔術の心得ある主人公設定にもなってるので、それを生かしたアクションシーンも良いアクセントになってますね~。
全4巻、1週間足らずで読み終えました…。残りの作品は10月の分で。
 
06年12/19:『「檻」シリーズ』として感想記事上げました。こちらからどうぞ~。

●帚木蓬生著『閉鎖病棟』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

冷たい雰囲気感じるタイトルに反して、人間のあたたかさが随所で伝わってきた作品。
所謂「精神病院」を舞台にした、人々の群像劇で。著者特有の静かな筆遣いは、デリケートな設定の中で必要以上の醜態も美談もない「人間描写」に徹しています。
こういう世界だけに、独特の空気感がありますけど…。読むだけの価値がある、秀作だと思いますね。

更に詳しく語った長文レビューはこちら

 
他、買った本をつらつら。

◆Luis Lourenco with Jose Mourinho/西岡明彦監修/西竹徹訳『ジョゼ・モウリーニョ』 講談社
◆宇江佐真理著『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』 文春文庫
◆魚住昭著『野中広務 差別と権力』 講談社文庫 …超久々のノンフィクションー。
◆南原幹雄著『謀将 山本勘助(上)』 新潮文庫(古本)
◆宇江佐真理著『着られ権佐』 集英社文庫(古本)
◆山本周五郎著『町奉行日記』 新潮文庫
◆宮部みゆき著『初ものがたり』 …茂七の事件簿見て衝動買い!!
◆山本一力著『深川黄表紙掛取り帖』 講談社文庫
◆藤沢周平著『風雪の檻 獄医立花登手控え(二)』 講談社文庫
◆藤沢周平著『愛憎の檻 獄医立花登手控え(三)』 講談社文庫
◆藤沢周平著『人間の檻 獄医立花登手控え(四)』 講談社文庫
 …シリーズ一気に買って、一気に読み終えました…。
 
 
うはっ、いつにも増して買った本が大量にありますね。…『国銅(下)』探しの賜物ですね(衝動買いの常習者)。
「アレがなかったら買わずに帰る!!」と、心に決めて店入っても…駄目なんですね、気付けば手に本持ってお買い上げ…。本屋さんには誘惑が一杯でス♪(単に意志が弱いだけとも)

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2006年10月16日 (月)

恩田陸著『ドミノ』

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最近マイブームなのが、読書ブログ様巡り。
あちこちのブログ様の感想を渡り歩いて、おぉこの本面白そう~!!と感じた1冊を見つけるのが楽しかったりします☆
で、この間「ぱんどら日記」様の所で拝見したこの本のレビューにとても興味をそそられたので、早速購入してみました。
 
 
え…と、スミマセ…大層有名なこの作家さんですが、何を隠そう私にとってはこの本が初恩田陸です(爆)。
『六番目の小夜子』の人、と言われればピンとくるんですけどね。只それも名前を知ってるだけで読んだ訳ではない…(汗)。
なもんで、作家語りの様な深い話迄は到底及べないと思います…。普通に作品語りをさせて頂きまする。
 
 
ある蒸し暑い7月末の昼下がり。ある生命保険会社の一室では、締日のタイムリミット迫る中、何とか今月分として計上したい大口の契約が社に届くのをじりじりと待っていました。一方その頃、あるオーディション会場ではミュージカル出演の座を射止めんと、子役候補達の親も交えた静かなバトルが始まろうとしていました。一方その頃、東京駅の一角にあるカウンター席では何やら思い詰めた風の女性がひとり、息を潜める様にして腰掛けていました。一方その頃…。
 
 
この「一方その頃」な描写を幾枚も噛み合わせて、話は展開していきます。まるでドミノ倒しの駒並べの様に…。
細かい間隔で視点が入れ替わっていく為、1回の描写に費やされる分量はほんの少し。それぞれの話は細切れに展開していくのですが…不思議な事に、そんなスクランブル構成でも人物や状況の把握が難なく出来るんですよ。
最初の方こそ、前頁に戻ってキャラの確認、なんて事もありましたけど。それぞれの展開にエンジンがかかってきて、又それぞれの世界がこつんこつんと徐々に重なり始めるにつれて…いつの間にか、それら全てを同時に見ている様な、俯瞰的視点でキャラ達を追う事が出来るのです。
正に、ドミノ並べを上から見ている感じですかね。舞台は東京駅、あの場所には彼女がいてあっちでは彼らが出会っていて…と、目の前の事象を追い乍ら余所で起こっている事件も一緒に見つめる様な流れで進んでいきます。
 
 
そうして連なっていった「ドミノ」が、あるきっかけで一箇所が倒れる時。事態はある急展開を迎え、そこから全ての出来事へ連鎖的に影響を及ぼしていくのです。
 
 
「ドミノ倒し」を連想させる中盤以降の畳かけ方、見事ですね~。どう関わるのか注目していた個々の出来事が、綺麗にばたばたと繋がって展開していく様にはわくわくさせられました!!
しかもその頃には、それぞれの登場人物達はすっかり把握出来ているので。どの場面にも臨場感が感じられて、全ての場に付加されているコミカルな要素に心おきなく笑う事が出来るんですね。
目的も立場も違う人々が、何の因果か同じ場所で違う思惑の下入り乱れている滑稽さ。それぞれが必死に動けば動く程、そのちぐはぐ感がますます誇張されてきてその様が面白くてたまらなかったです。
 
 
何が起こるか予測のつかないこの世界。
こんな風に「出来過ぎた偶然」も、何処かで起こりうるかもしれない。
 
 
や、ここ迄大がかりでなくても、小さな物事の連鎖はきっと普段の生活の中でも起こっているのかもしれませんね。
そんな事を一寸妄想してみたくなる。頭を空にして楽しめた痛快小説でした。
 
 
終わり方は…どうなのかな。私には少しもどかしいラストでしたけど、好きな人は好きな展開だと思いますね。
或いはこういう味が作者の特徴なのでしょうか。そこら辺は勉強不足で申し訳ないですが…。
 
 
とにかく素直に楽しめて、アイディアや構成力にも唸らせられる良作だと思います!!
秋の夜長に堪能させて貰いました~。
 
 
同じ本の感想記事を書いてらっしゃるブログ様:
「ぱんどら日記」/ぱんどら様
 
 
恩田陸著『ドミノ』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

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2006年10月15日 (日)

田中啓文著『ハナシにならん!笑酔亭梅寿謎解噺2』

シリーズ第1弾『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』レビューはこちら
 
 
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普段は専ら文庫本買いの私が、待ち切れなくて単行本にて購入してしまった1冊…。しかも、買ったその日に一気に読み終えてしまった1冊!!その位楽しくて魅力ある好シリーズの、こちらは第2弾です!!


今回も基本的な作りは前作と同じ。只「謎解き」に当たる部分は少しおとなしめで、より竜二の成長物語の方に重きが置かれていますね。今回事件は起こってもせいぜいコソ泥騒ぎ、位かな。
前作ですっかり落語の魅力に取り憑かれ、何やかんやあり乍らも師匠の元で技を磨く事を決めた竜二。話術やレパートリーにも少しずつ幅が出てきて、自身が師匠から感じた様な古典落語への感動をより多くの人に感じて貰いたい!!との思いを強めていきます。
が、若き竜二は時に気持ちばかりが先走ってしまって。「落語」というだけで世の人が1歩も2歩も引いて見てしまう現実が、彼にはもどかしくてしょうがない。
本当はもっと気さくで面白い世界なのに、表舞台で脚光を浴びるだけの魅力を備えた笑いであるのに…段々と湧き起こる竜二の一寸した「欲」が、全編通しての大きな流れを形作る展開になっています。
 
 
古き良き伝統を守る姿勢。それはとても凛とした輝きを放つものですけど、同時に世間との間にある種の「壁」を作ってしまうものでもあります。
それを察知して、世の流れに合わせた変化を伝統の中にも加えていく…。長く世の中に広め伝えていく為には、勿論こういった柔軟な発想も大切にはなってきます。
けれども。「古き」ものを打破せんとする姿勢は確かに大事ですけど、その中には多くの古き「良き」ものも混ざっているんですね。長く伝えられ愛されてきたものであればこそ、昔乍らの伝統を何故今でも守り続けているのか……それ相応のきちんとした理由も、勿論あるのです。
 
 
経験の浅い竜二には、何が古臭くて何が守るべきものなのか、そこら辺の判別がまだ非常に曖昧。だからパッと目新しいアイディアに触れると、すぐに気持ちが奪われてとても魅力的なものに映るんですね。
そうやってあれこれ移り気になり、ひとり模索して意地になったりもがき苦しんだり…繰り返すその姿勢が、又彼をひと回り成長させてくれるのです。
 
 
竜二のアイディアは時に突飛過ぎて、兄弟子達の怒りを買うのもさもあらんという感を受けたりもします。
だけれども、やってみて躓いて答えに気付く彼の経験は…決して、無駄なだけのものだったとは思いませんね。
結果が見えていたとしても、実際に身をもって感じ取る事が出来たのなら…それは若さ故に得られる、大きな糧であると思います。
やってる事は突拍子もない事、けれど落語界の為に何かやらんとしているのだけは伝わってくる…。竜二の行動に渋い顔をする兄弟子達が、それでも何処か案じる様な視線で見ていたのは…彼の必死な姿が伝える想いを、ちゃんと感じ取ってくれてたからじゃないでしょうかね。
 
大事なのは、自分なりに考えてから行動に移してみる事。そしてやるからには、本気でやる事。
本気でやっていれば、必ず「人」がついてきてくれる…。真剣な想いが繋いだ人と人の「絆」を感じられる展開に、最後は胸が熱くなりました。
 
 
そして「絆」と言えば、何よりも竜二にとって切っても切れない存在。お馴染みツンデレ師匠(違)・梅寿も、しっかり見せる所で魅せてくれましたね~!!
相変わらず破天荒な素行で竜二を振り回しつつ…今では実の親子みたい、或いはそれ以上に、互いを良く見て分かり合ってる師弟。心から良いものだなぁ、と感じましたよ…。
ある場面で竜二が言った、『俺は……やっぱり笑酔亭梅寿の弟子です』という台詞。思わず目頭が熱くなりましたね。若々しい素直な感情が心地良い!!
 
 
時に前作でちらと気になっていた、竜二とチカコの関係は。さ程目立った進展は見られないものの、しかしいつの間にやらナチュラルに互いのアパートを行き来してたりしてて侮れません(笑)。大事な所でチカコが竜二の支えになってたりもしましたしね~☆
彼女のぱきぱきした明るさと元気さが、ともするとうじうじ沈み込みがちな竜二をさりげなくサポートしている様が楽しいですね。つか、仮にも札付きのワルで鳴らした筈の竜二君…少しはしゃんとせぇよ(笑)。
第3弾も、チカコの世話焼き女房ぶり(!?)から目が離せないです!!
 
 
個人的に好きだった話はやっぱり「親子茶屋」!!竜二と師匠の絆に心あたたまりましたです!!
それから、「道具屋」の話も沁みたなぁ…。猿右衛門師匠の静かなる「芸」に、潔い心意気を感じましたよ。
 
 
さ、今から続きが楽しみなシリーズである訳ですが…。
この本出たのは今年8月。なもんで新刊はまだ当分先でしょうね(焦)。
又ひと波乱あるのでしょうか。恐らくは来年?出るであろう第3弾にも期待したいです!!


同じ本の感想記事を書いてらっしゃるブログ様:
「まったり読書日記」/エビノート様
「今日はちょうどよい日和だから」/七生子様
「Flying Dutchsan」/ダッチ様
 
 
※文中『』内の台詞は、田中啓文著『ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺2』/集英社より抜粋しました。

田中啓文著『ハナシにならん! 笑酔亭梅寿謎解噺2』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

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田中啓文著『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』

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この第1弾、8月に出た第2弾と、一気に読ませて貰いました!!スカッと痛快な落語小説です~。
ミステリ要素もありますが、割と青春成長話の色合いが強いかな。
 
 
作品は、7つの短編で構成されている連作シリーズ。主に新米内弟子・竜二の描写を中心に展開していきます。
本作の主人公であるこの竜二、何と頭はド金髪、で「鶏冠頭」と皆に言われる派手な髪型…およそ落語家らしからぬ風貌をしております。それもその筈(?)、彼は所謂「元ヤン」、教師も警察も手を焼く問題児だったんですねー。
 
 
そんな彼の根性入れ直す為、これ又骨太な元担任が…昔落語家を目指した頃弟子入りしていた師匠の所へ、竜二を引っ張っていきます。名は「笑酔亭梅寿」、今や上方落語会ではかなり名の知れた大御所噺家だそうで。
…が、この師匠…酒乱と暴力がハンパでない。突然チンピラスタイルの小童を弟子に、と頭を下げにきた元弟子に対し、「アホぬかせ」とその場で殴る蹴るに道具も用いての暴行…。その様は絶賛不良中の竜二をして息を呑ませる程の、壮絶なものでありました…。
 
そんな破天荒師匠でも流石は大御所らしく、弟子として取るだけの見込みがあるか、竜二に一席打たせてみます。昔弟子だった元担任に噺をさせ、それを元にその場で同じ噺をさせる…弟子入り前の初心者には随分ハードルの高い試験です…。
ましてやグレるのに忙しかった竜二が当然落語に通じている訳もなく、元担任が打った噺を見様見真似で喋るのが精一杯…だったのですが。どうやらスジは良いと認められたらしく、師匠の無言が合格の証。こうして落語若葉マークな竜二の、どたばた内弟子ライフが始まるのでした…。
 
 
冒頭の師匠による元担任への暴力シーンは…結構エグい感がありましたかね。特にヌルめの時代小説ばかり読んでいた私には…あんまりにも理不尽なハードさに、一瞬本を置こうかという思いが頭をよぎりもしました(笑)。
終始このノリでいかれたらどうしようかなー、と気にしてたのですけど。酷かったのは最初だけで、その後は次々出てくる魅力あるキャラクター達に、ぐいぐい引っ張り込まれていきましたよー。
 
 
各話は「謎解噺」と銘打たれているだけに、一寸したミステリ仕立てになっていて。更にタイトルにはそれぞれ上方古典落語の題目が使われていて、毎回何処かしらでその噺の中身とリンクしている作りになっています。
この落語との絡ませ方が、実に巧い!!噺自体を知らなくても作中でちゃんと概要が掴める様になってますし、そのネタと本編との噛み合わせも、さりげなくおいしい部分で使われていてニヤリとさせられましたね~。
ユーモアと人情を上手く取り混ぜた、痛快な面白さが感じられる作品だと思います。
 
ミステリの方は、数々の謎がひとつの発想の転換でぱあっと開ける様に解けていくという…正に「謎解き」スタイルの、とんち仕掛けな構成が中心。推理というよりなぞなぞの感覚に近そうですね。
これら解決の糸口をポンと閃くのが…あの元ヤン内弟子の竜二。結構細かい所に気の付く彼は、誰もが見落としていた事件の核心を掴むのにも非常に長けているんです。タイトルにもある師匠の「笑酔亭梅寿」の方も謎解きにはチャレンジしてますが、こちらのヤマは大抵外れます(笑)。
しかし竜二には意外と気の利く所があって、師匠を差し置いてぺらぺらと真相を喋る事はしないんですね。それとなく師匠の方を誘導し、さも師匠の考えを自分が代弁しているかの様に仕立てる…結果感嘆の声が向けられる師匠が悪びれずに気を良くしている滑稽さは、古典的乍らもやっぱり愉快で面白いです。
短い話の中でもなかなかに唸らせる「謎解き」と、それに関わる人々の「人情」が同時にバランス良く盛り込まれているのが、実に良く出来てるなぁと感じますねー。
 
 
そういったまとまりの良い構成も去る事乍ら。本作の魅力は、やはり若き竜二の人間的成長を瑞々しく描いている点も大きいと思います。


主人公の竜二、彼はこの間迄バンドで一旗揚げんと意気込んでいた奴だったので、落語や何やの伝統芸にはとことん疎いのです。

  
『あのなあ……私ら上方の噺家の大先輩やで。ちょっとは勉強しとき。芸のためなら女房も泣かす……ゆう歌、知らんか?』
『ロックしか聴きませんから』
 
 
…こういう奴が、落語家の弟子になろうってんですから(笑)。周囲の反応は実に様々。
 
露骨に眉をひそめているのが、竜二のすぐ上に当たる兄弟子の梅雨。大学の落研から噺の道で身を立てていこうと真剣に打ち込む彼にとって、どれだけ才があるかは知らんがチャラチャラした身なりのまま弟子で居続ける竜二の存在は…目障りでしょうがない。何かと竜二に突っかかる姿勢を見せます。
一方で捨てる神あれば、拾う神あり。姉弟子の梅春ら、竜二の無知さの中にも光るものを感じ取っている人達もいて…時折厳しく接しつつ、その才能がモノになる様常に気をかけてくれています。
更には師匠である梅寿の妻・アーちゃんや、駆け出しピン芸人で竜二と同世代のチカコ…公私共に様々な関わり方をする人々との接触を通して、竜二は噺家として、人間として着実に一歩ずつ歩みを進めていくのですね。
 
 
その過程で竜二が見せる、青年特有の悩みや葛藤…生き生きと夢を追う同世代の仲間達を見て焦りを感じたり、華々しくて目新しい世界に心が揺らいだり。この青臭さがとっても眩しいです。
最初は成り行きで足を踏み入れた落語の世界でしたが、師匠の噺を聴いて瞬時にその虜となり…いつの間にか頭の中は落語で一杯になっていく。他の若手達の様に根っこの張った大きな夢を抱く迄はいかなくても、目の前の目標にがむしゃらにぶつかって、時にはね返されて、落ち込むけれども又挑む…。若さだけが為せるもどかしくも貴重な経験を、竜二が文字通り体当たりで培っていく様は、見ていて辛くなる時もあるけれどすがすがしい爽やかさを感じますね。
 
そして陰乍らそんな竜二をちゃんと見ている、師匠の存在もあたたかいです。口も手も荒っぽい師匠だけに、そこから滲み出ている気遣いには心底からの優しさが伝わりますね。
まぁそんな生易しい表現では余りある普段の振舞いですけど…(笑)。
好きだったのが、「子は鎹」で見せた師匠と竜二の絆です!!素直にならずに散々手を焼かされた竜二に対し、『どんな弟子も、わしにとってはわしの子や』と無骨に言い切った師匠。目を合わせずに言ったテレ屋な一面も併せて、親子の様な2人の師弟関係に胸がほんわかあたたかくなりました~。
 
 
さて。これら賑やかな人間関係の中で、密かに気になっているのが…竜二と同い年のピン芸人・チカコとの微妙な距離感です。
あからさまに先へと発展する関係ではないものの、結構大事な場面でチカコの存在が竜二にとって重要であったりもして…この以上未満な間をうろうろしている両者の関係がたまらないですね☆
今の所は「親友」の色の方が強いみたいですが、その気になればするするっと進んじゃう可能性も!?今後に注目したいですー。
 
 
現在は第2弾迄出ているこのシリーズ。キャラ達の魅力も相俟って、これからも追っかけていきたい作品です!!
第2弾の方の感想は近々アップ予定です♪
 
 
時に。この本読んでいて、無性~に落語聞きたくなっちゃったのですけど!!…我が家には上方落語の音源がありませんでした(涙)。
ならばってんで、古今亭志ん生師匠の「井戸の茶碗」がCDであったので観賞~。笑わせて貰ったです…!!
感想記事も書いちゃいました。こちらからー。


同じ作品の感想記事を書いてらっしゃるブログ様:
「まったり読書日記」/エビノート様
「読書とジャンプ」/むらきかずは様
 
 
※記事内の『』部は、田中啓文著『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』/集英社文庫より抜粋しました。
 
田中啓文著『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

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2006年10月 4日 (水)

帚木蓬生著『閉鎖病棟』

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タイトルパッと見の想像と読後の感想は、多分半分だけ合ってます。その名の通り、舞台は病院で中心人物は入院患者。けれど無機質で冷たいタイトルとは裏腹に、物語には人間の血が通っていました。
 
 
舞台は病院。ですがそこは所謂「精神病院」の類に属する病院です。
ここにいる人々の多くはこの病故に身内から厄介者扱いされ、それぞれの生活から引き離されてやってきた人ばかり。半ば押し込まれる形だったり、行き場を失ってようよう最後に辿り着いた場所だったり…。
そんな社会から一方的に爪弾き者にされた人々を、この作品は他ならぬ「患者」の視点から描いているんですね。淡々とした筆が人物達に肉付けをしていく様を…いつの間にか吸い込まれる様に追いかけていました。
 
 
始まりは後に主要となる人物達のエピローグから。それらが唐突に終わると、舞台は早速「病院」へと移って…慌ただしい朝の風景が始まります。
朝5時半から響きわたる勤行、ベルが鳴るや否やモップ片手に水掛けを始める男性、薬の副作用で首が捻れた人の挨拶、端の蛇口から順に水を飲んでいく女性…。正直相当の理解がある人でないと、この光景を即座に受け入れる事は難しいんじゃないでしょうか(汗)。事実私は挫けかけましたが…。
 
ですけどね、直に気付き始めるのです。この違和感は、普段から無意識に物事へ「意味」を見いだそうとしている習慣の所為なのだと…。
 
何故早朝人の迷惑省みず大音声で勤行を唱えるのか?何故女性がわざわざ前髪を毛抜きで抜くのか?何故1日遅れの新聞を、死亡記事だけ声高らかに朗読するのか─?文中一応の解釈が付いてきても、それらはおよそ私達の納得を促す「意味」にはなりません。そしてこの「意味」が掴めない人間の行動に、私達は自然と恐れを抱くのです…。
 
でも実はそれは、彼らが或いは私達以上に持ち合わせている「純粋さ」故の行動であるんですね。自分の心赴くままに行動出来る「自由さ」とも言うか。
通常私達は、個人差こそあれ何か為す時はその理由、合理性、周囲の反応…等に頭を巡らせて、行動に移します。しかし彼らはこの過程を極端に端折るので、心→体がダイレクトに繋がっているか如くに行動するのです。
それは確かに唐突に見えるかもしれない。けれど同時に、彼らの行動に打算や含みがない事…真に「裏表ない」様子が伝わってもくるのです。
だから、他者への好意もありのままに示せる。衝突や諍いが起こっても、悪い事をしたと心から反省し、その後は又気後れなく付き合える。
私達が普段つい素直に表現出来ない感情でも、彼らはいつだって体全体で示しているのです。
 
そうやって考えると、人間として「小さい存在」なのはどちらかなぁ、とも思ったり…。彼らの前で、自分は胸を張れるだけの行動をしてきたのだろうか、と身につまされたりもしました。
 
 
そんな彼らを描き出す筆致が、これ又何とも秀逸なんですね。視点が常に入院者の側にある発想もなんですが、彼らに対する余計な色眼鏡が感じられないのが又凄い。
只黙々と進んでいく描写、そこには理不尽な蔑みがないと同時に、過剰な美化もありません。「精神病」を訳の分からぬ奇病と置かない分、それを理由に行動を正当化する事もないのです。
何処迄も「一個人」として向き合う姿勢…偏見も同情もないからこそ、伝わるあたたかみがありますね。
 
その様を良く表す印象深い表現が、次の様な文章です。(以下、帚木蓬生著『閉鎖病棟』/新潮文庫より抜粋)

患者はもう、どんな人間にもなれない。秀丸さんは調理師、昭八ちゃんは作男、…(略)という具合に、かつてみんなは何かであったのだ。…(略)
 それが病院に入れられたとたん、患者という別次元の人間になってしまう。そこではもう以前の職業も人柄も好みも、一切合財が問われない。骸骨と同じだ。
 チュウさんは、自分たちが骸骨でないことをみんなに知ってもらいたかった。患者でありながら患者以外のものになれることを訴えたかった。

…この内なる叫びには、心底はっとさせられましたね…。普段知らぬ内抱いてしまう先入観にずばり釘を刺された気がして、暫し呆然としてしまいました。
 
 
著者は現役(今も?)の精神科医であるそうで、この発想は日頃の環境に依る所も大きいかもしれません。でもやはり…職業に加えて、著者自身の人柄がこの作品には反映されている気がしますね。
こうも誤解を恐れずに、この世界を描き出せるのって…心の中に一本芯が通ってないと、なかなか出来ない所業だと思います。
 
 
基本的に時はゆったり流れ、日々はつらつらと描かれていきます。
不登校で通院中の女子中学生と、チュウさん達入院者との穏やかな交流もひとつの軸となり、毎日は至って平和に過ぎていました。ある「事件」が起こる迄は…。
 
 
この「事件」から先、物語はゆっくりと人々の「想い」に沿って流れていきます。焦りも、悩みも、苦しみも…人が紡ぐ先に在る「救い」が、感じられる展開になっていますね。
そして歩みを乱さぬまま…最後は静かなぬくもりで包まれ、心地良さが胸中に残ります。
 
 
この本を読んだ事で、実際に世の精神病の方々への視線が変わった…と言える程には、私はまだ理解を深められていません。
けれど、彼らをこれだけ近い位置でみる感覚を得られた事、余分な価値観を読んでいる間だけでも払拭出来た事…貴重な作品に出会えたと思っています。
 
 
帚木蓬生著『閉鎖病棟』 書籍情報はこちら→アマゾン bk1

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2006年9月17日 (日)

6~8月に読んだ本・買った本…(括り過ぎ)

めんどくさくなった訳ではないのですよー(笑)。この時期は本当、全然本読んでなくて…。生活がW杯中心でしたし、その後も暫く脳内サッカー漬けだったので。
ついでに言うと暑い時分って集中が必要な物事をこなすのが非常に苦手です(暑さに弱い)。
まぁお陰…で?やっと8月迄追いつきました。んでは参りますー。

先ずは読み終えた本から。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。

●山本一力著『深川駕籠』 祥伝社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

イキの良い江戸っ子駕籠かきコンビ・新太郎と尚平の、スカッとさっぱり友情人情劇です!!
ガタイが良くてすばしこい新太郎と、ガタイが良くてのっそりしている尚平の真反対名コンビの友情がとても爽やか。
ガラの悪い同業者との駕籠かき対決や、友情に後押しされた町内早駆けレースや…江戸っ子の意地や見栄がぶつかり合って、そこにあったか人情が加わった胸あたたまる短編集ですね。
山本さんらしく人の描き方は、とっても優しい。あんまり皆が善人過ぎてメリハリない時もありますが、こういう爽快感漂う明るい物語には良い効果をもたらしてる気がしますね。人情に次ぐ人情な展開でも、主役2人に若々しい青臭さがあるので温もりがうるさくならない感じ。
終わり方には最初んんん…??でしたが。続編があると知って納得です。早く読みたいなー。

●松岡圭祐著『催眠』 集英社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

『千里眼』に続いての松岡ワールド(初出は逆なんですがね)。『催眠』の方が個性や勢いは控えめですが…こっちの方が好みかも(爆)。
突如自分を「宇宙人」だと名乗り、その他にも様々な人格に入れ替わる謎の女…。彼女にまつわる数々の不可解な謎を、催眠療法を生業とする臨床心理士・嵯峨敏也が「カウンセラー」として解き明かしていくという…最初は一寸ミステリアスな展開。しかし後半からは、人間が人間を「救う」姿に心洗われる気分でしたよー!!
入りの感じだと少し怖い話かな、と思いましたがね。しかし物騒な展開では全然なくて、本当人と人の「対話」に重きを置いた物語でした。不必要に派手な演出が少なかったのも、かなり良い効果だったかと。
サイドストーリーとして描かれた一輪車の話も良かったです。あくまで脇道だったので、目立たなかったのが勿体ない位だなー。

●Luca Caioli著/堤康徳監訳『ロナウジーニョ The Smiling Champion』 ゴマブックス 書籍情報:アマゾン bk1

普段このテのスター伝記物はあんま読まないです。特に真っ最中で活躍してる人のは。でもこれは面白かったですねー。
世紀のフットボールスター・ロナウジーニョが、何でいつもああ屈託なく笑っているのか。その理由が、少しだけ垣間見えた気がします。
陽気そうに見えるけど結構真面目だな、と常々感じていましたが。彼の内には神への深い信仰と、フットボールへの真摯な愛情がしっかり存在していたんですね。
今W杯では本領発揮し切れずの敗退でしたけど、彼の伝説はまだまだこれから。そう思うとわくわくしてきますね。

●Patrick Burclay著/中島英述訳『ジョゼ・モウリーニョ 勝者の解剖学』 宝島社 書籍情報:アマゾン bk1

↑に味を占めて、脳内大フィーバー中(今もか)のモウリーニョ監督本にも挑戦しました…読むの疲れたー(苦)。あっちゃこっちゃ飛びまくる話運びに、脳みそメモリ不足状態…。
翻訳ももしかしたらぎこちないのかも…しれないですけど。でも多分コレは、原文の構成に依る所が大きい気がする…。話題転換や参照話の挿入があんまり唐突過ぎて、一寸頭が追いつかなかったですね。自分がフットボールに精通していないのも大いにあるのでしょうが…。もうモウリーニョ愛だけでどうにか読み切った感じでした(本音)。
多分同じ人物伝なら、本人も噛んでるLourenco著の方がきっと読み易くて面白いです。只バルサ時代の話からなんだよなー。

●木村元彦著『オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える』 集英社インターナショナル 書籍情報:アマゾン bk1

…あんま読まない、とか言っといてもう3冊目ですネ!!(自分ツッコミ)いやはやこれも興味深い話でした…。やっぱこの方位の人生歩んできてると、その深みたるや段違いですね。
所謂「語録」の類より更に突っ込んで触れている、オシムの人生録です。勿論この中にあるのが彼の歩んだ道全てではないのでしょうけど、それでもその壮絶さには圧倒されました。サラエボの悲劇の行には息が詰まる思いですね。
こんな偉大な人物に、代表メンバーを率いて貰える幸運…。胸にしっかり刻みたいと思います。

他、買った本達のあれこれ。

◆三浦綾子著『塩狩峠』 新潮文庫
◆新田次郎著『八甲田山死の彷徨』 新潮文庫
◆大崎梢著『配達あかずきん-成風堂書店事件メモ-』 東京創元社
◆山本一力著『お神酒徳利 深川駕籠』 祥伝社 …『深川駕籠』の続編!!
◆永井路子著『一豊の妻』 文春文庫 …読了。人物観が独特だー。
◆山本周五郎著『ちいさこべ』 新潮文庫 …表題作は読み終えました。

あら、読んでる量は少ない割に、結構買ってはいたんですねー(汗)。
これから涼しくなるので…順番に読んでいきたいです…。

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2006年9月10日 (日)

5月に読んだ本・買った本

ふと気付きましたが、どうも私は月に4~5冊程度のペースで本を読んでいる様です。…どうりで買った分読み切れない訳だ(笑)。
この月も、読了本と購入本の数がほぼ同数。これじゃあいつ迄経っても追いつかんよ…と自覚しつつ、今日も本屋で衝動買いの日々…。

さて、5月期の読み終えた本の話から。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。

●松岡圭祐著『千里眼』 小学館文庫 書籍情報:アマゾン bk1

元陸自パイロットの臨床心理士・岬美由紀が、担当する少女のカウンセリングを進めていく内、強大なカルト教団の陰謀に直面する事になる…というサイコミステリ。些細な仕草から思考を読み解こうとする心理戦にわくわくしたり、新米心理士の美由紀さんが抱く悩みや葛藤にじんときたり、終始話の中に引き込まれっ放しでした~!!…ラスト数十頁迄は、ね(苦)。
主人公の過去設定を生かす展開だとは言え…あのハリウッド的な大味クライマックスは如何なものか。せっかく脱出劇の部分迄は世界に浸ってはらはら出来たのに、あの後の無茶な盛り上げ方に一転、気持ちが萎えてしまいました…惜しいな~。娯楽小説と割り切るにしても、最後迄それなりに筋の通った大円団にして欲しかった。
人物の設定や描き方には結構惹かれてるので、その内続編にも手出したいとは思ってます…。がさつで不器用な中年刑事って良いですね(唐突)。

●山本一力著『背負い富士』 文藝春秋 書籍情報:アマゾン bk1

ドラマ化ってんで、山本版次郎長ってどんなだろ!?と興味津々に購入した一冊。任侠に生きた大親分の一代記と言うよりは、彼ら一家にまつわるいくつかの人情エピソードを描いたオムニバス形式の作品でしたね。
お馴染みの黒駒一家との熾烈な抗争なんかはあんまり描かれませんでしたが、清水港のあたたかな人々との交流には結構胸熱くなりました。
だもんで、「侠客・清水次郎長」としてより「みんなの次郎長親分」なイメージで見ると良いと思います~。

●諸田玲子著『お鳥見女房』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

将軍家の鷹狩儀式全般を執り行う「お鳥見」役一家が舞台の、どたばたあったか家族劇。お鳥見役に隠された「裏」の役務とか、突如一家に押し寄せる事となった子だくさんの男やもめ+仇討ち女剣士とか…続々やってくる問題に対処する一家の妻・珠世さんの姿が、とにかく明るくてすきっとしてるのです!!
「母」であり、「妻」であり、「娘」である珠世さんの描き方がさっぱりしていて、賢女特有のねちこさが感じられないのがとても良い。素直に親しめる女性像です。
続編も早く文庫化してくれないかなぁ~。

更にあれこれ語った長文感想はこちら

●内田康夫著『後鳥羽伝説殺人事件』 角川文庫 書籍情報:アマゾン bk1

浅見光彦シリーズの第1作。これは面白かったです!!
自身の妹と関連する事件だったのもあって、光彦さんの人物像が良く伝わってくる話でしたね。爽やかな青年風の内には、熱い正義感と深い思いやりが内在しているという…。
話の方も非常に読み易いタッチで描かれていて、一気に読めちゃいます!!光彦さんと野上刑事の熱意に後押しされて、気付けばぐぐぐいっと。
それと「幸福の手紙」でも感じたのですが、全体に何処かもの悲しい雰囲気が漂うのがこのシリーズの特徴なのでしょうかね。その都度光彦さんが見せる愁いを帯びた姿が、叙情的で何だか胸に残ります。

●藤沢周平著『橋ものがたり』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

巷で評判の良いこの短編集。本当、看板に偽りなしの…心に染み渡る「橋」が舞台の哀楽短編集でした。
町中の川に架かる様々な橋は、ある人にとっては「別れ」の橋であり、又ある人には「出会い」の橋であり、「訣別」の橋であり…岸と岸を結ぶ役割としての「橋」を、人と人との繋がりに絡ませた味わい深いテーマ作品集です。
この方の特長であるきめ細かな描写が、情緒ある「橋」の風景と良く合わさっているんですね~。そしてそこに描かれる人物達それぞれの心情が…どれも良く情景に映えています。
本当どの話も甲乙つけ難い逸品なんですけど、個人的に好きだったのは「殺すな」「赤い夕日」ですね。

他、買った本を箇条書きにて。

◆山本一力著『深川駕籠』 祥伝社文庫 …読了。凸凹コンビの友情が良イ!!
◆藤原正彦著『国家の品格』 新潮新書 …まだ読めてないや…。
◆宇江佐真理著『無事、これ名馬』 新潮社
◆佐藤雅美著『物書き同心居眠り紋蔵』 講談社文庫 …古本にて。

次月以降は、かなり読書量ペースダウンしてます。…W杯ですね(しみじみ)。

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2006年9月 3日 (日)

4月(…)に読んだ本・買った本

鬼も呆れて笑う気失せる半年前の話ですよ。思えば月単位で無節操読書録をまとめてみようかな、と思い立ち…すっかり3月で止まってました(汗)。たまったもんだー。
今更月毎にまとめてもなぁ、どうしよう…とは思いましたが。一括するとなると一寸ガサはるハンパな量たまっちゃったんで、遅れながらも順繰りに…やっていこうと思います。
お暇で気が向いた時にでもお付き合い頂ければ、と…。相変わらず閲覧者様に優しくない長文ブログでスミマセン(汗)。

んでは、まず4月期の読み終えた本から。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。

●藤沢周平著『消えた女 彫師伊之助捕物覚え』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

実は藤沢周平のシリーズものではダントツで好きだったりしてます!!全3作…もっと見てみたかったな…。こちらはその1作目。
元岡っ引きの伊之助が、かつて世話になった老人に行方知れずの娘の捜索を頼まれ手がかりを追う…という、中編位の?ミステリ話です。
大江戸ハードボイルド…と銘打たれてはいますが、さして気負う事なく、通常の捕物ミステリとして楽しめる作りだと思いますね。主人公伊之助は確かに独りの孤独な捜査を続けていくのですが、彼を突き動かしている「情」が…要所要所で薄暗い作品展開に「色」を添えていて、最後迄引き込まれる流れになっています。個人的には全3作品中、この効果は今作が一番上手いと思う。
ミステリ要素も結構びっくり…ですよ!!掴めそうで遠のいていく、じりじりもどかしげな展開が飽きさせないです。その表現方法が又、何度読み返しても溜息が出る秀逸さ…。
いずれ長文で感想書きたいです…(私的メモ)。つか、金曜時代劇あたりでやってくれないかしら。

●坂東眞砂子著『善魂宿』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

…この方が猟奇と官能の世界を生業にしている、と知ったのはこれを読んだ後でした…(汗)。あたたかそうなタイトルとは裏腹に、中身はおどろおどろしい迄の人間の「生」と「性」に満ち溢れていましたよ…。
あまりに本能的で、ぞっとする描写なのですけど…同時に目が逸らせないなにがしかの迫力めいたものが伝わってもきます。
人間の生暖かい息遣いが伝わってくる様な、そういう生々しさのある作品。

更に詳しく語った長文感想はこちら

●司馬遼太郎著『功名が辻(三)』 文春文庫 書籍情報:アマゾン bk1

朝鮮出兵、秀次の失墜、秀吉の死と家康の台頭…。目まぐるしく起こる情勢とその中での山内夫妻の立ち回りが、とにかくばばばばーっと勢いに乗せて描かれています。
年月が経った分、夫婦共々落ち着きが増してきた為か…際だった夫婦クローズアップの場面は少なく、より歴史サイドに重きを置いた展開になってますかね。
その中でちょちょっと両者、見せ場も作ってます。関ヶ原前の一豊は名演説だったんじゃないかな~。大河での演出が楽しみだ!!
因みに六平太も漸く再登場ー。色々魔が差しちゃってます(意味深)。

●内田康夫著『幸福の手紙』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

浅見光彦シリーズのひとつ。名前だけは聞いた事あるシリーズで興味持ってたので、本屋でふと思い立ち購入&読了致しました。どれが第1作か分からなかったので、適当にフィーリングで1冊選んでみました(又か)。
中身はまぁ、こういう作風のシリーズなんだ~…と感じ取れたって位の印象でしたかね。主人公・浅見光彦の人となりを知っていると更に楽しめるであろう、割かし読み易い普通のいちミステリの様でした。
しかしタイトルの意味が分かる作中のシーンは良かったです。哀しい結果でしたけど、この気持ちは綺麗でしたね。
この後見つけたシリーズ第1作『後鳥羽伝説殺人事件』は良かったです!!光彦さんの人物像もかなり良く伝わりますし!! 

 
…他、買った本。こちらは羅列のみでー。

◆佐々木譲著『天下城(上・下)』 新潮社
     …黒頭巾でハマった佐々木譲ー。
『時代小説 読切御免 第一巻』 新潮文庫
     …購入後意外と手が伸びない…。
◆諸田玲子著『お鳥見女房』 新潮文庫
     …読了!!オススメッス☆長文感想はココ
◆藤沢周平著『橋ものがたり』 新潮文庫
     …読了。珠玉の連作集でした…。
◆宇江佐真理著『あやめ横町の人々』 講談社文庫
◆遠藤周作著『日本紀行 「埋もれた古城」と「切支丹の里」』 知恵の森文庫
◆東ゆみこ監修/造事務所著『「世界の神々」がよくわかる本 ゼウス、アポロンからシヴァ、ギルガメシュまで』 PHP文庫
     …簡潔な紹介文と美麗イラストで取っつき易いです♪

さ、4月がようやっと終了です。後は5、6、7…(指折り数えつつ)。
感想書くのにえっらく時間かかってしまうからいかんのでしょうね…。や~好きな作品程表現するのが難しいッス。

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2006年7月 1日 (土)

最近買った本。

6月はW杯に明け暮れていたのもあって、夜中の読書は割と控えめでした。
そんな中、ここ最近で買った本といえば…。

・三浦綾子著 『塩狩峠』 (新潮文庫)
・新田次郎著 『八甲田山死の彷徨』 (新潮文庫)
  

……暗ぇ…(沈)。
 

きっかけはいつも通り、店内うろついてのインスピレーション買いなのです。…どんな心理状態なんだ、最近の私(苦)。しかし買うだけ買ったものの、テーマの重さになかなか触手が伸びずにいる状態(…)。
このテの壮絶な人間悲劇は、本当自分のバイオリズムと相談しないとかなり影響受けてしまう質なんですよね。…だったら何でそういうのを敢えて選んだかな、と自己ツッコミ(汗)。

しかしどちらにも強く引き寄せられる何かを感じているので、いずれきちんと向き合いたいと思います…。

最近の主な散財対象は、サッカー雑誌ですね(笑)。載せるなら乗せられてしまえホトトギス(字余り)っとばかり、臨時増刊誌を買い漁ってます。特にラーム(独)の載ってる雑誌はほぼ無制限買いです。びょーきです。マユ毛の太い短髪の童顔、に弱いのです…(どういう括りだ)。

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2006年6月19日 (月)

本棚&音楽棚完成!!

4月位からかな?暇を見つけてはちょこちょこ、WEB本棚&WEB音楽棚に好きモノあれこれを登録して参りましたが。やっとーひと区切りつける事が出来ました!!取り合えず今現在迄に自分が触れた本や音楽達自体は、ほぼ登録済です。

本棚については、とにかく所持していて既に読み終えている本を片っ端から突っ込んでいきました…。純粋に、今何冊位持ってるのかなーってのが気になってたので…。
未読本は入れてないです。上巻しか読み終えてないのも入れてないです。後、読んだのが昔過ぎて評価出来るだけの記憶が残ってない本も入れてないです(…)。
やっぱ時代小説が多い、かな。藤沢周平や池波正太郎にはかなり傾倒してますんで(現在形)、既読本でもふっと読みたくなる瞬間がありますねぇ。最近では諸田玲子が気になり中。
他に最近の注目株は、松岡圭祐の千里眼シリーズ!!こないだ読んだ初期作でヒロインの岬美由紀さんがかわいいなぁ〜と思い、さりげに先が気になっています。蒲生刑事とのどつき合い型名コンビ(え?)ももっと見たい!!
後話的には催眠シリーズも気になってますね〜。初巻読んだ限りでは、余計な派手さが少ない分人間ドラマに集中出来そう☆

音楽は、買ったのやらレンタルやら借りたのやらごっちゃ混ぜです。シングル系はレンタルが多いかも。
MDに入れっぱの隠れた名曲(私見)は…思い出したら随時入れます。
こちらで今ダントツにハマってるのは、やっぱRADWIMPS!!ですね!!スタイルが多様過ぎたりもしますが、どのタイプも見事に私好みなんです(笑)。エンドレスでアルバム聴きまくってますよ…こんなん久々。
念願の「2」は無事見つけられましたよ(笑・関連過去記事はこちら)。#6の「愛し」がサイコーに好き!!
この曲の歌詞を聞いてると、人を好きになる(色々な意味での)って素敵だな…って思えますね。「言葉」と「心」の関係や、「涙」と「愛」の関係を綴った箇所のフレーズが大好きです。

とりあえずWEB棚への入れ込みは完成したんで。評価や感想等にもぼちぼち手をつけていきたいですー。
好きな作品程どう表現して良いか悩んでしまって…遅々として進んでないんですがね、この作業(笑)。のーんびりいきますよ…。

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2006年6月 3日 (土)

週間Number!!

通常は隔週発行のNumberが、W杯開催期間中は週間ペースになるそうですね(公式HPはこちら)。
Numberの記事や構成、格調高い雰囲気があって私は大好きです。W杯でも良質な記事を掲載してくれそうで、今から楽しみですね~。
どうやら内容は、日本代表の動向が中心の様ですが…。各国の様子や各予選リーグの展開もやって欲しいなぁ~。期待してます!!

そして大会後に発売予定の「W杯フィナーレ(657号)」&「W杯永久保存版(plus)」も今から楽しみ…!!日韓の時は買い損ねたので、今度こそ…!!

そこでー。本大会迄残り1週間足らず!!になった所で、テンプレをサッカー仕様にしてみましたー☆(変更後や携帯からこの記事ご覧の方には、なんのことやらな話ですけど…)
きっと生では地上波放送してくれる試合しか見られないでしょうが…その時々で、思った事を記事にしていきたいなぁとは思ってます。相変わらずの素人ミーハー論ですがね;
気になってるのはポルトガルとオランダ。トーナメントは地上波でも割と放送してくれそうですけど、予選リーグは何処迄やってくれるのか…!!情報全然知らないんで一寸どきどき。

出来る限り生で見られる試合は観戦したいんで…ね。きっと体内時計は日々ドイツ時間に合ってきちゃうと思いますよ(どうなの社会生活は)。

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2006年5月12日 (金)

読書バトン。

例によって又ネット徘徊中に見つけたバトン。発見当初から、ず〜っとやりたくてあたためてました…。

●持っている本の冊数
…あんま数えてないです(おい)。WEB本棚には50冊位入ってて…多分未登録の読了本がそれと同じ位はあるんだろうな。更に未読本も…まあ100冊位はあるんだと思います…。

●今読みかけの本or読もうと思っている本
一杯ありますよー読みかじったままため込んでるの(笑)。
とりあえず小説のみ。

鳥羽亮著『波之助推理日記』 (講談社文庫)
一緒に買った宇江佐真理の本を先に読んで…その後ぱらぱらめくり書けたまま。多分他に気になって待ち切れない本買っちゃったんだと思う…。
 
諸田玲子著『お鳥見女房』 (新潮文庫)
これは結構楽しく読んでます。オモシロイ!!
どたばた人情家族ドラマってな感じで、微笑ましい気持ちになりますね〜。ハッピーエンドで終わって欲しいな。珠世さんのからっとした明るさが、とっても優しい。
 
栗本薫著『氷雪の女王』 (ハヤカワ文庫)
あの壮大なファンタジー、グイン・サーガの外伝話。本編より話も込み入ってないですし、1冊完結なんで予備知識はグインが豹頭、って位あれば十分楽しめると思います。キャラも立ってますし☆
グイン・サーガ本編は最早とんでもない量突入しちゃってますが、こういう外伝系からでも十分入れるだけの魅力はあると思いますね。
 
喬林知著『今日からマのつく自由業!』 (角川ビーンズ文庫)
巷で噂のマ王シリーズ。ふと興味わいて、挿絵もキレイだったんで購入…。
「読み終わったら貸しますよ〜」…と、Hサンに言ってから早○ヶ月…スミマセンスミマセン(平謝)。
 
内田康夫著『後鳥羽伝説殺人事件』 (角川文庫)
この前『幸福の手紙』で初めて浅見光彦シリーズに触れ、第1作が気になって購入。シリーズの途中から読んだんじゃピンとこなかった言い回しや人物心理について、詳しく分かると良いなーと期待。
 
山本一力著『背負い富士』 (文藝春秋)
久々のハードカバー。今週から読み始め…こりゃあさくさくいけそうな引き込まれ具合です!!
短編読んだ時はストレート過ぎると感じたこの方の人情話、長編でじっくり書き込まれると、その飾り気ない展開が良く映えるんですね〜。先が非常に楽しみ。
 
松岡圭祐著 『千里眼』 (小学館文庫)
現在話題の最新刊を本屋で目にする度、興味を抱いていたシリーズで。偶然入手した関連チラシ読む内に、やっぱ読んでみよう!!と決意する迄に至りました。今やっと、美由紀さん出てきて一仕事終えた辺りかな。
ミリタリ色も濃いけど臨床心理士の話だけあって、心理戦は結構面白そう!!
 
今現在、ほんの少しでも頁をめくり始めている本のみ羅列しました。
…決して熱が冷めた訳ではないのです…只、気が多いだけなのです…(それもどうなんだ)。
 
●最後に買った本
5/8付で、
 
・『千里眼』(松岡圭祐著/小学館文庫)
・『国家の品格』(藤原正彦著/新潮新書)
 
…後今週発売のジャンプ(笑)。
 
●特別な思い入れのある本、心に残っている本
それ程数こなしてないですが…思いついた順に。
 
◎島崎藤村著『破戒』

文字通りかじりつく様にして、あっという間に読み終えた印象が。知らず知らず丑松にどんどん感情移入してる自分がいました…。多分彼の矛盾の含まれた悩み方が、妙な真実味を感じさせるのかもしれません。
賛否両論ある最後の行動も、私的には良かったと思う。

 
◎遠藤周作著『沈黙』

こないだ読み終えたばかりですが、かなりの印象を残しましたね…。とにかく衝撃的、なんだけど名作だ、とも思う。
これも主人公の苦悩が描かれている作品ですが…こちらは物凄く「重い」。痛みとか、涙とか、そんなものではどうにもならない「衝撃」がそこにはありました。
色々強烈で辛かったけど…出会えて良かった、と思えた作品です。

 
◎宮部みゆき著『本所深川ふしぎ草紙』

連作短編集です。どれも少し切ないお話なんですが、しかし哀しみとは違う仄かな感情を抱かせてくれる作品でした。
人のあったかさって、本気で必死に生きる人の内からじわっと滲み出てくるものなのかもなぁ。

 
◎藤沢周平著『本所しぐれ町物語』

これも連作集。思い入れ…という点でも選出。これに感銘を受けたのが、藤沢作品にハマり出すきっかけでした。
時にまっすぐに、時にいい加減に日々を営む「人」の姿が感じられる作品。全話通して1本軸の通った作品に仕上がっている上、短編個々に取り出しても独立した味わいあるのが又…素晴らしいと思いますね。

 
◎小野不由美著「十二国記」シリーズ

やっぱり私にとって、不朽の名作ファンタジーはコレ。緻密に構築された世界観と、そこで描かれる人物達の繊細な心理描写が…いつ読んでもたまらないですね。毎回胸に残る台詞があるのも印象的。

 
●バトン渡すのは…
…同じく読書好きっコの遙サン、どうですか〜?と呼びかけてみたり…(笑)。
他にも興味持たれた方、どうぞご自由にお持ち下さい〜♪
 
…個人的に興味深いバトンだっただけに、自分(だけ)すっごく満足してます。スミマセン超楽しかった…。
…思ったんですがコレ、何回やっても面白そうなタイプのバトンな気がしますね。暫くしたら、又回答変わって楽しそう…。ログ保存切れそうな頃にでも、又やってみようかな(笑)。

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2006年4月16日 (日)

3月に読んだ本・買った本。

もう4月も半ばに突入してしまいましたけれど、先月読んだり買ったりした本の話を…。
意外と本読む時間が取れなくて、買った割には読了本が少ないです…。

まずは読み終えた本。一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想です。
…画像等の書籍情報はサイドバーにある本棚からも見られるのですが、いちいち探すのも面倒だと思うので…前回同様タイトル横にリンク貼りました。

●司馬遼太郎著『功名が辻(二)』 文春文庫 書籍情報:アマゾン bk1

第2巻では秀吉の躍進、そして衰退へと向かう時代へ。彼の盛衰に伴い、一豊夫婦の運命も徐々に変化していきます。甲賀組は今回お休みー。
天下統一へ時代が動いていくにつれ、功名の基準も秀吉自身の足場固めへのねらいが色濃く反映される様になり…今迄戦功名一筋で突っ走ってきた一豊が、「功名とは何か」と初めて立ち止まる姿を見せます。
家臣を犠牲にし、危険を顧みず一番槍を目指し…でも今や功名は、秀吉子飼いの若武者達が次々とあげる時代になっている。一豊の功名を願い果てた家臣の命は何だったのか…悔し涙を流す一豊が印象的でした。
それからこの巻では、これ迄その聡明さが描写の中心だった千代さんの「人間的感情」の部分が見え始めてきたのも大きな特徴ですね。夫不在時の大地震等、家を守る千代も又厳しい現実に直面し…乱世の無常へ憂いを募らせていきます。

●佐々木譲著『黒頭巾旋風録』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

正に痛快時代小説!!と呼ぶにふさわしい、爽快感溢れる物語ですね!!
江戸時代、松前藩の圧政に苦しむアイヌの人々…その地に突如現れた、暴政へ単身挑む「黒頭巾」。その悪に怯まぬ果敢な姿勢は、アイヌの人々に「光」をもたらし…その光に励まされ、今一度動き出した人々それぞれの歩みが一陣の「風」を生み、やがては蝦夷地全土に巻き起こる「旋風」となる…。熱くて爽やかな正義漢小説です。
基本的にはよくあるヒーロー話の展開なのですが、それなだけに安心してわくわく出来ると言うか。変な色気がない分スカッと読める心地良さがありますね。主人公の性格もすがすがしくて、押しつけがましくないのが良いのかも。登場人物のキャラが皆立ってるのも魅力的ですよ〜☆
改めて長文感想書きたいなぁ…。

●遠藤周作著『沈黙』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

文学の先生に「良い作品だ」と言われて以来、ずっと気になっていた作品。確かに凄いです…何と言うか衝撃。禁教令の敷かれる日本にやってきた宣教師が、厳しい弾圧の中で苦悩する様を描いているのですが…その心理描写が凄まじくて。
拷問や処刑により信徒が苦しみ続ける中、神は只「沈黙」を守り続けている。神の為殉じる人々に、何故神は救いの手を差し伸べないのか…。神の偉大さを人々に説いてきた宣教師にとって、この「沈黙」は何よりも恐ろしい現実であり…その為に葛藤し追いつめられる様が、胸の奥に重く迫ってきます。読後暫く眠れなかったなぁ…。
いずれじっくり語りたい作品。

●藤原眞莉著『夢の痕 美濃姫異伝』 コバルト文庫 書籍情報:アマゾン bk1

本棚にあったのをふと気が向いたので。こばるとでーす。"異伝"とある通り、主人公が濃姫の歴史ファンタジー小説。信長との恋愛模様に結構胸が切なくなったりしました。
信長に痺れる色っぽさがあります。斎藤龍興もやけに格好良いです(やけにが余計)。佐々成政も実直でステキです。…只前田犬千代だけは嫉妬に狂う美少年なので、ファンの方はお気を付け下さい…(涙)。

●宇江佐真理著 『室の梅 おろく医者覚え帖』 講談社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

普段女性作家の時代小説は余り読まないのですが。これは何となく気になって買ってみましたー。江戸の町を舞台にした、死体(おろく)検死医のお話。荒っぽい言葉の中にあたたかさのこもる主人公の人柄が魅力的です!!
勝ち気さと繊細さを合わせ持つ妻お京や、心の澄んだ岡っ引き風松、凡庸な同心深町…この脇役陣も光ってますねぇ。
宇江佐さんの作品に触れたのはこれが初めてで、この方の持つ人間観に非常に興味を持ちました。一寸作家買いしてみたいなー。

少しだけ作品について触れている過去記事はこちら

他、買った本…の中から、興味深かったり特徴的だったりな本をいくつか。

◆梓澤要著『ヒロインの日本史 時代を彩った女性100人』 ベスト新書 書籍情報:アマゾン bk1

日本史上の女性100人!!をピックアップして、その生き様に触れてます。何せ100人なので、1人当たりの記述は大体の流れ+見せ場といった所かな。内容はやや主観的に思える部分もありますが、1人につき見開きで2ページ、な構成がなかなか機能的で良いと思います。文章も読み易いですし〜。
歴史に触れるきっかけ作りに適した本だと思います。

◆阿刀田高著『私のギリシャ神話』 集英社文庫 書籍情報:アマゾン bk1

阿刀田さんのこのテの本は、非常に読み易いので入門書にうってつけだと思うんですよねー。知らない人にはかゆい所に手が届く丁寧さ、知ってる人にはひとつの解釈としての楽しみを与えてくれる博識さ。この本もその特長が良く出ていて、更に数多いカラー資料もあるので結構退屈せずギリシア神話を堪能出来ると思います!!
かつてその小難しさに挫折した方も、是非お試しあれ(笑)。

◆阿刀田高著『コーランを知っていますか』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

↑の理由から、かつてその小難しさに挫折した「コーラン」を知る為阿刀田先生に救いを求めました(笑)。確かに読み易く…分かり易いです。
まだ読み途中ですけど、こういう価値観があって今の中東・欧米の関係があるのか…と考えを向けてくれる本でもあると思いますね。

◆南原幹雄著『信長を撃いた男』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

大河「功名が辻」で丁度、信長狙撃事件の回直後に本屋で発見したのでつられる様に…。
南原さんの本昔読んだなぁ…確か『百万石太平記』。あれも面白かったので、この話にも期待してます〜(読むのはこれから…)。

そう言えば。サイドバーにもリンク貼ってあるのですが、最近WEB本棚なるものを作ってみました!!コレがけっこー整理面白くてハマり気味です〜。
こっちにも感想欄はあるのですが、時間軸的に読書記録をまとめるのはやっぱブログのがやり易いので…月まとめや個別感想は、変わらずこっちに書いていきたいと思ってます。

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2006年3月26日 (日)

1〜2月に読んだ本・買った本。

もう本がスゴイです。エライ事になってます。取り憑かれた様に買いまくった本達の置き場所がありません(自業自得って話)。困ったなぁ…皆どーやって上手く収納してんだろ。

こんな事態とも相俟って、脳内の蔵書整理も覚束なくなってしまいました…。って単に、今迄が本買わな過ぎたってだけなんですけどね。
んでまぁ、自分の読書傾向をまとめてみたいという好奇心と…自身の忘備録の為(笑)、読んだ本・買った本について触れていく事にしました。
大体月区切りでまとめていこうかと。後は二言三言、私なりの感想も付け加えられればなーと思います。
更に本腰入れて語りたい作品については、改めて記事を立ち上げる方向で…要はコレがおっつかなくなって始めた事なんですがね(汗)。
ジャンル的にはひどく偏った傾向になってしまう気がしますが…それはそれとして、気ままにやっていけたらと思いますー。

先ずは読み終えた本から。もう細かな日付忘れてるんで、1,2月ひとまとめにします(爆)。
一段下がった段落(引用形段落使用)が、個人的ひとこと感想ですー。

●司馬遼太郎著『功名が辻(一)』 文春文庫 書籍情報:アマゾン bk1

非常にテンポがさくさくしてて、一気に読めちゃいます!!弁士の語りべの様に、軽快な語り口がコミカルですねー。そんなタッチで一豊の憎めない凡庸さ、千代の回り過ぎる程の頭の回転を、生き生きと描いています。
そこに絡んでくる吉兵衛&新右衛門の臣下コンビ、小りん&六平太の甲賀コンビが又良い味だしてまして☆作品の絶妙なスパイスとなってくれてますね。六平太の持つ浮き世離れした様とドライな冷酷さの二面性、この切り替わり方は何とも見事です。
文庫版第1巻では、馬購入の所迄が描写されております。

●半村良著『戦国自衛隊』 角川文庫 書籍情報:アマゾン bk1

1月の新作ドラマに触発され本棚から発掘。今迄様々な媒体で発表されてきた戦国自衛隊ですが、やはり私はピカイチでこの"元祖"戦自を推したいです…。
人物描写も去る事乍ら、ストーリー構成が非常に巧みで…畳み掛ける様なラストは圧巻です!!
話の組み立て方という意味でのスケールは相当大きいのではないかと…。
静かな中に少しぞくっとさせる締め方が、胸に残ります。
いずれ長文感想が書きたい作品ですね。

●海音寺潮五郎短編集『剣と笛』 文春文庫 書籍情報:アマゾン bk1

ふと本屋で見つけなーんとなく購入。しかし期待以上の珠玉短編集でした…。
1度リズムに乗ったら最後、あれよあれよと引き込まれる作品揃いで。振り返れば殆どの話がお気に入りです!!
人物の描写や書き込みが丁寧なので、短い話でもするっと世界に入れるんですよね。読んで良かった!!と思える"当たり本"でした。
これも話しだしたら長くなりそうなんで、その内記事にしたいなと…。

●藤沢周平著『本所しぐれ町物語』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

数年前に何気なく図書館で見つけ、借りて帰るつもりが日が暮れる迄夢中で読み通してしまった思い出深い作品です…。本屋で見つけ、ふと懐かしくなって購入。やっぱ藤沢周平さんの市井小説、読み出すとはまりますねー。
個々の営みをひとつずつ描写しつつ、それらがさりげなく数珠繋ぎの様に関連づいている連作小説でして。人が織りなす物語が集まってひとつの「風景」が出来上がる…情緒ある短編集ですね。
何処か濁った湿り気ある日常描写の中で、ふと見出せるやわらかな光が心に染みます。
これもいずれ改めて感想を…。

9/17:長文感想書き終えました。こちらからどうぞ。

他、買った本。未読だったり読み途中だったり…。
 
◆小和田哲男著『山内一豊 負け組からの立身出世学』 PHP新書 書籍情報:アマゾン bk1

タイムリーに本屋に平積されてたんで、入手してみました。もうこうなったら今の内乗っかるだけ乗っかっとこうと思って。一豊の活躍は勿論山内家全体の歴史的経緯、更には両織田氏の成立ちにと幅広く触れてくれていて楽しめますねー。少しずつぽつぽつと読み進めてます。
どういう訳か、この本を読んで信長のカッコ良さに目覚め始めました(笑)。

◆池波正太郎著『鬼平犯科帳(三)(五)』 文春文庫 書籍情報:アマゾン(3) (5) bk1(3) (5)

先日の時代劇にも触発され、一先ず本屋に並んでた巻適当に買い漁ってみたのです、がー。…読んでく内に感じました「コレ1巻から読んだらもっと面白いんじゃね?」と(遅…)。んな訳で、1巻見つける迄こっちはお預けです(爆)。
実は鬼平って、原作を頭から通しで読んだ事はなかったんですよね。楽しみー。

◆山本一力著『いっぽん桜』 新潮文庫 書籍情報:アマゾン bk1

カバー裏のあらすじ紹介に惹かれ、何となく購入(こういうの多いな…)。この方の作品に触れるのは初めてです…。
後で知ったんですがこの作者、本屋さんの間では「この人の本が売れない店は、時代小説は売れない」と迄言われる程のホットな時代小説屋さんなんですね…。す、凄い。
確か今度NHK時代劇でやる次郎長話、原作はこの山本さんだった様な?ちと探してみたいですー。

◆栗本薫著『グイン・サーガ外伝④ 氷雪の女王』 ハヤカワ文庫 書籍情報:アマゾン bk1

このシリーズ昔夢中で読みましたー。陰謀編になってからはとんと御無沙汰でしたが…最近又興味わき始めまして、とっかかりに昔読んで面白かったこの話を購入。
グイン・マリウス・イシュトヴァーンの三匹が斬る(違)な旅道中、そこでひと悶着あるってな話ですー。
1冊完結の外伝なんで、シリーズ知らない方でも楽しめるんじゃないかな?

◆島田荘司著『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』 角川文庫 書籍情報:アマゾン bk1

島田荘司の御手洗潔シリーズ。これも大ハマリした作品です。
多分「水晶のピラミッド」以降は「Pの密室」位しか読んでない気が…。例によって気が向いたので購入。
久々の国内ミステリ買いで楽しみです!!

…やってみると結構楽しいですねコレ(←まとめ好き)。自分の好みも一目瞭然で、納得したり意外だったり…。
最近はつとに歴史・時代小説に心が動き気味なので、本屋でも自然とそのテの本を手に取ってしまいますね。そして文庫本が多いです(貧乏症)。
良くやっちゃうのは買ってそのまま放置状態…。き、興味が失せた訳では決してないのですが、ね…。んで、ある時ふっと思いついて一気に読破したり。
…思いつきで生きてるんだな自分、と実感…。

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2006年2月 1日 (水)

ホームズ祭り終了。

1月入ってから「勝手にホームズ祭り」と題し、好き勝手に色んな作品を語り散らして参りましたが。一応今月末を持って、一区切りつけようかと思います。当初はもっと集中的にどばっと語るつもりでいたんですが、のんびり構えてる内にもうひと月…早いなぁ。書いてる本人だけが楽しいという、自己満足極まりない企画でしたが(汗)、お付き合い有難うございました。
 
勝手に1人でホームズに盛り上がっている内、ふとグラナダTVのホームズドラマが又見たくなりまして。週末はいそいそとレンタルに走る日々でした…。
ホームズ役の俳優ジェレミー・ブレットが、本当生き写しみたいにぴったりハマッてて。神経質そうだけど眼光鋭い表情や、機敏な身のこなしが原作のイメージ通りなんですよね。今尚ファンの間で「希代のホームズ役者」と評価されている理由も良く分かります。
一緒に見ていた母は「ホームズ作品ってこの役者の為に書かれたの?」と本気で聞いてきましたよ…逆なのに(笑)。
 
最近興味のある古典ミステリは、ソーンダイク博士シリーズですねー。科学的物証に基づき事件を解決していくらしくて、とっても興味あります。本屋で探してるんですが、なかなかないんですよね…有名だと思ってたんですが…。

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2006年1月26日 (木)

コナン・ドイル著「ボヘミアの醜聞」(『シャーロック・ホームズの冒険』収録)

…語りたいと口にしつつ、好き故になかなか上手く表現出来ずにいましたこの話。女を見くびっていたホームズがまんまと一杯食わされた、忘れ難き女性の話です。

ホームズはとかく女嫌いで知られておりまして。何度か触れましたが、女性特有の感情の起伏や論理的に説明出来ない行動について、しょっちゅう揶揄してます。
そんなホームズが「あの女」と言えば、たった1人該当する女性がおりまして…女性としての美しさと、男性的な大胆さを兼ね備える凛とした女性、それがアイリーン・アドラーです。

今回の依頼は、このアイリーンからある写真を手に入れる事。それには若き日のボヘミア国王が、彼女と一緒に写っています。今や成婚間近の国王にとって、この写真はスキャンダラス極まりない危険なもの。大胆不敵なアイリーンは、これを婚約相手の王女に送りつけると国王を脅迫します。
で、ホームズの所へ話が持ち込まれた訳ですが。女のやる事なんてたかが知れてるさ、と甘く見ていたホームズに、まさかのどんでん返しが待っていました…。

国王がどんなに手を尽くしても見つけられなかった写真の在処を、ホームズは例によって一発で突き止めるのですが。そのやり方はいつも乍ら巧みで申し分ない出来映えです。
だからこそラストの展開が引き締まるんだと思いますねー。ホームズはいつもの通りに相手の一歩前を行っているんです。なんですが最後にモノを言ったのは、彼がいつも馬鹿にする"女性特有"の部分でした。

流石はホームズをして「あの女」と言わしめるだけありますアイリーン。しゃきしゃき行動していても、何処か優雅で気品が感じられますねー不思議と。立ち居振舞がきりっとしていて魅力的だと思います。
他作品でもホームズがいくらか興味を示す行動的な女性達は登場しますけど、やっぱりアイリーンがピカイチで凛々しいですね。

最初の短編集"冒険"に於いて、この話は一番はじめに掲載されています。冷静沈着な名探偵ホームズの初短編作品として、敢えてこの話を持ってきたのが何とも面白いですね。
そしてこれを読んで、人間ホームズにこれ程迄興味を持つ様になったといいますか。他で見せるのとは全然違う彼の心理が垣間見える作品だと思います。ラストで彼が求めた謝礼については、滅多に見せない特別な感情が込められている気がしました…。
最初の短編にしてシリーズ中でも突出した特徴を持つ、興味深い作品です。

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2006年1月19日 (木)

コナン・ドイル著「白面の兵士」(『シャーロック・ホームズの事件簿』収録)

勝手にホームズ語り、今回はちょいと飛んで後期の短編集"事件簿"より。この作品の特徴は、何と言ってもホームズの1人称視点で綴られている点でしょうね。

通常ホームズ作品は、彼の友人ワトスンによる目線で物語が展開していきます。希代なる名探偵を一番近しく知る者として、彼の活躍ぶりを世の人に伝える為筆を執っている…という設定なんですね。ホームズも基本的にはまんざらでないらしく、この活動に割と協力的です。
ただ自分の事がネタである故に、やはり不満も出てくるものでして…論理的思考を重んずる彼は、ワトスンの筆に見られる大衆心理に訴えかける様な叙情的表現を余り好まないんですね。ので、その事でワトスンに文句を言う事もしばしば。機嫌の悪い時には大抵このネタでもって彼に八つ当たってます(笑)当然ワトスンも黙っておらず、「だったら自分で書いてみろよ!!」と反撃。ならばって訳でホームズ自ら筆を執ったのがこの「白面の兵士」です。

しかしまぁ、言うは易しと言いますか。いざやってみようとすると、思った以上に面倒なものらしく。冒頭早速「こう反撃されてペンはとったものの、書くとなるとやはりできるだけ読者に興味を与えるようにしなければならないということに、いまさら気のついたことを告白せざるを得ないのである(延原謙訳/新潮文庫より抜粋)」と音を上げてます。こんな調子でそろそろと話が始まりますが、本人も語っている通り、なかなかに奇妙でどんでん返しもありの話なのであります…。

あらすじは、戦争帰りの兵士が苦楽を共にした親友の事で気がかりな点があり、相談されたホームズが真相究明に乗り出す…という流れです。親友は戦場で負傷してしまった為、一足先に帰国していたのですが。連絡を取ろうとするも、相手はぱったり音信不通。家族に尋ねると諸国漫遊の旅に出ているとの事ですが、その連絡先は頑として教えてくれず。気さくだった親友らしからぬ行動と、頑なに真実を隠そうとする家族を訝り、兵士は事の解明をホームズに依頼します…。

事件はホームズ視点で展開されていくので、無駄が嫌いな彼らしく描写は至って簡潔なんですが。それでも所々、普段より突っ込んだホームズの一面が垣間見えて、結構新鮮ですね。ワトスンが客観的に綴るホームズのいつもの行動が、どういう意図でもって行われているのかが表現されていたりもして、とても興味深いです。
只前述の通り語りに無駄がないので、全体としてすらーっと話が進んでしまいがちでして…ワトスンの文体をエンタテインメント路線とするなら、こっちはドキュメント調でしょうか。全て分かっているホームズが分かりきった事として事件を描いているので、盛り上がりに欠ける部分があるかもしれません。そこは本人もうすうす感じてるらしく、「こうなってくるとワトスンのいないのが悔やまれる(同上)」とぼやいてますが(笑)。

しかし例によって細かな事象1つに迄着目して謎を解く様は、見ていて面白いですー。医学的な点は現代から見ると誤っていたりもするのでしょうが、まぁあのラストなら大丈夫…かなと思います。執事の手袋に迄事件の鍵が潜んでいるのはいつも乍ら芸が細かいなぁと。うっかり筆を滑らせて、ネタばらしをしそうになるホームズの慣れない手つきも見ていて楽しいです(笑)。

因みにこの話、ワトスンは同行していません。彼は結婚して暫くホームズと疎遠な時期がありまして、この話はその頃の出来事らしいんですね。
この"事件簿"では、他にもワトスンが「久々に」ホームズを訪ねるシーンや、ホームズ1人で事件に触れる話もあったりして、その点でも他の作品群とは少し毛色が違う気がします…。ホームズはいつも通りに難なく事件を解決しますが、少し物足りなさそうに見える部分も。
個人的にはやっぱり2人で事件に携わる話が好きですねぇ。

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2006年1月13日 (金)

うさうさ占い

昼間のワイドショーで、変わり種占い本特集をやってまして。
そこで紹介されてた本の1つが、この『うさうさ占い』(二枚貝著/ソフトバンククリエイティブ発行)でした。
何でも右脳と左脳、どちらを多用するかで人となりを分析するそうで。

①両手を組んだ時どちらが上になるか
②両腕を組んだ時どちらが上になるか

で、上になった方の手と逆側の脳が、普段良く使っている脳だそうです。つまり右が上なら左脳を良く使う、といった具合。それを①②の順に並べて4つのパターン化し、それぞれ分析するらしいんですねー。例えば①で左手が上(右脳使い)、②で右腕が上(左脳使い)の人は、「うさ」人間になるそうです。

んで、早速その場で私も試してみました。

手の組み方…右手が上→左脳使い
腕の組み方…右腕が上→左脳使い

…どうも私、左脳しか使ってないみたいなんですけど。

うろ覚えの記憶だと、右脳が創造的で左脳が論理的なんでしたっけ?(違ってたらごめんなさい)これを知って、今日TVチャンピオンでやってたからくり装置が出来ない理由が良く分かりました。ひらめき関係はてんで駄目なんで納得…。かといって、筋の通った物の考え方が出来る訳でないのが救えないんですけど(…)詳しい分析内容は知らんので、本屋行ったら探してみようかと思います…。

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2006年1月12日 (木)

コナン・ドイル著「青いガーネット」(『シャーロック・ホームズの冒険』収録)

勝手にホームズ語り第2弾は再び"冒険"から。
ネタバレはナシです(笑)。

私がシャーロック・ホームズ作品に出逢ったのは小学生の頃だったんですが。偶然にもほぼ同時期に3つの作品に触れまして、それが「赤毛連盟(赤髪組合)」「まだらの紐」「青いガーネット」の順でした。
その中で全体的に好きだったのが、この「青いガーネット」だった気がします。

ストーリーの舞台はクリスマスの季節でして。正月も過ぎた今頃語るのは些か時期を逸した気もしますが(…)。とある善良な守衛さんが、チンピラに絡まれていた酔っぱらいの落とし物を拾った…という、他愛ない出来事に端を発する事件です。

拾ったのは、クリスマス用のがちょう(英国では七面鳥でなくこっちが定番らしい)とくたびれた帽子。どちらにも落とし主に繋がる有力な情報がなく、ほとほと困った守衛さんがホームズの所へ相談しに行った所から物語は動き出します。
最初は些細な落とし物としか捉えていなかったので、まあナマモノのがちょうは代わりを用意して傷む前に処分しよう…てな話になったのですが。いざ鳥をかっ捌いてみると、胃袋からさる伯爵夫人の下より盗まれて大騒ぎ中の青いガーネットが出てきてあら大変。一気に事件性の増す展開となってゆきます…。

まず冒頭から古ぼけた帽子1つを手がかりにしたホームズのプロファイリングが始まって引き込まれますねー。一見作り話にしか聞こえない突拍子のなさなんですが、全てちゃんと帽子の特徴から割り出された推理でして。ビビる大木位ばかばかへぇ〜ボタンを押したくなりました(今日はトリビアSPだったので…)恐らく研究の進んだ今ではかなり的外れな点もあると思うんですが、まぁそこは100年前の作品って事で…。
更に情報収集や真相解明の為、次から次へと行動を起こしてくれるのでどんどん興味が出てきます。瞬時にカマをかけるそのやり方が巧妙で、わくわくしますね。今回もそれでいくつもの重要なポイントが露わになっていきます。

終わり方は何とも不思議な感じで…。良いのかこれで?とツッコミたくもなるのですが、クリスマスという季節がミソになっている点が興味深くもあります。日本人が思っている以上に、西欧にとってのクリスマスは神聖で寛大な季節なのかもしれません。

こんな調子で、息も吐かせぬ勢いで読ませてくれる作品だと思います。さっき読み返したら30分もかからなかった…位長さ的にも短いので、気楽に読めそうな気がしますね。短編集『シャーロック・ホームズの冒険』は、特にこの様な読み易い短編が多くて、たまに読む時もあまり力まず接する事が出来ます。

最後に。この作品で個人的に気に入ったホームズの描写をひとつ。(延原謙訳/新潮文庫より抜粋)

『ヘンリー・ベーカーさんですね?』ホームズは肘掛椅子から立って、よくもこう即座に出るものだと感心させられる親しげな態度でいった。

や、これぞホームズと言いますか。やたらと外ヅラだけは良いんですこの人。その掴み所のないギャップが楽しくて魅力に感じる理由の1つです〜。ワトスンとの初対面の時も、こんな調子で社交的だったんですよね。だんだん本性が見えてきますが(笑)。

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2006年1月 6日 (金)

お誕生日おめでとう〜!!

…ホームズの、ですけど(笑)早いものでもう6日になったので、ちゃっかり祝ってみました。作者の公式設定ではないんですが、どうやらこの日が一番通りの良い説みたいなんで、それにのっかってみる事にします…。

誕生日来た後ですが、一応ホームズ月間は今月一杯続けたいなぁと。相変わらず独断と偏見に満ちた語りですが、していきたいと思ってます。忘備録ついでに興味ある作品を挙げると、女嫌いのホームズが唯一忘れられない"女"との話である「ボヘミアの醜聞」、彼の初めて関わった事件であり探偵業を営む原点ともなった「グロリア・スコット号」なんかは自分なりに触れてみたいですね。長編ではやっぱホームズ&ワトソンコンビ誕生秘話である「緋色の研究」と、普通にミステリとしても大好きな「バスカヴィル家の犬」がお気に入りなんで語りたいです!!

…とか言いつつ、ふと気付けば最近八丁堀話ばっかですね(汗)気が多くてスミマセン…まぁ焦らずのんびりと…。

…そう言えば前回うっかりネタバレ要素入っちゃったんですが、コレ読んだ事ない人にはえらく不親切でしたよね…ごめんなさい!!次は気を付けます…。

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2006年1月 3日 (火)

コナン・ドイル著「オレンジの種五つ」(『シャーロック・ホームズの冒険』収録)

(勝手に)ホームズ強化月間の最初はこの作品から。
初めの語りはどれにしようかな~、と悩んでいて、この作品がかなりお気に入りな事に気付きました。
…あ、語ってく内にネタバレ要素が含まれるかもしれませんので、未読の方はご注意下さい。

この作品、全体としてはばっちり推理できっちり終わるものではなく、寧ろ所々謎が残る結末となっています(何より殺人事件の殺し方がさっぱり分からないまま)。
なので、もしかしたら世間的にはさほど注目されてない作品なのかもしれません…グラナダTVのドラマにもならなかったみたいだし。
不完全燃焼の感があるので、純粋推理を楽しむ方には物足りない作品であるのかもですが。私はこの話読む度に好きになるんですよねー。
惹かれる理由の1つは、普段冷静なホームズの「静かな怒り」が垣間見える作品、というのがあると思います。

実は、ホームズが怒りの感情を面に出すシーンは割と出てくるんですよね。
基本的には私怨のみの殺人を嫌うし。女性や弱い立場の人間を傷付けるのも許せない人(女嫌いな設定なんですが)。で、テンションの起伏も普段から激しい人です。クスリやってるのもあるけど(笑)。
それでもこの話での彼の怒りが印象的なのは、そこに「自分に向けられた怒り」が含まれているからなのだと思います。
もっと早く動いていれば、分かっていれば、という悔しさ。もしそうだとしても事態は変わらなかったとは思うんですが、力になれなかったというやり場のない気持ち。
「せっかく僕を頼ってきたものを、むざむざと死なすために帰してやるなんて!」(延原謙訳/新潮文庫より抜粋)という彼の台詞には、いつもには見られない類の感情を露わにしていて興味深いです。
本来ホームズは感情のままに行動する事を嫌う質なんですが。この事件に対しての寝食を忘れる入れ込み様は、彼なりの「感情」が為し得た行動だった様に思えてなりません。

…そんな訳で。ホームズの違った一面が見られる点で、印象深い作品であります。

(勝手に)語りの第1回はこんなカンジでしたが。私はトリックの巧妙さ等にはひたすら感心するしか能がないので(苦笑)、主に人物描写について興味を持った作品を語っていくと思います…。本格推理トークがお好きな方スミマセン。

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2006年1月 1日 (日)

シャーロック・ホームズの誕生日。

新年に伴い、初めてブログのデザイン変更を行ってみましたー。
上手くいくかドキドキだったんですが、見る限りは何とかなってる様で一安心です。

今回のテーマ…と言う程でもないんですが。今月はシャーロック・ホームズの誕生日があるので、何となくそれっぽいデザインを探してました…英国っぽいのにしたかったんですが、まぁ執筆繋がりで。
ホームズの誕生日。どうやらファンの間で最も支持されているのが1月6日説なんですね。でも別に原作者が公式に設定してる日付ではないので、憶測・想像の域ではあるんですが。
私がホームズについて前何かの本で読んだ事あるのは、心理学や占星術等各界のホームズオタクファンがこぞって「心理学的に彼は○月生まれのケがある」だの「彼の行動から察するに○○座の傾向に似ている」だのと何とも頼りない説位なんですが。きっちり研究してる人は、原作を隅々まで読んできっちりした意見を持ってるみたいです。作者にしか分からない事ではありますが、見てみると興味深いですね。
…ついでに便乗してみますと、何となーくですがホームズはAB型っぽい気がしてます。ホント、何となーく、ですけど。

…そこ迄読み込んでる訳でもない一介のホームズ好きではあるんですが。ひとつの節目な月でもあるので、今月は私なりに面白いと思ったホームズ作品についてちらちら語っていきたいと思ってます。
何処迄触れられるか分かりませんが、頑張ってみますー。

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2005年12月27日 (火)

Number最新号(笑)。

弟からこんなタイトルのメールが届きました。
彼は私よりずっとサッカーに詳しいのですが、各スポーツ雑誌は自分じゃ殆ど買いません。
でも興味はあるらしく、何とか自分はビタ一文出さずいようと、ミーハー思考の私が興味をひく様仕向けてきます(そして私も結局乗せられてしまう)。
で、今回の営業メール(笑)があんまりにも私のツボに大ヒットしたので、そのまんま載せる事にしました。
ちなみに雑誌の見出しは「W杯に見る夢」。

タイトル:Number最新号(笑)。

小野伸二
“秘かに見る夢”

大黒将志
“イタリア戦まで勝つ”

高原直泰
“自信?ありますよ”

稲本潤一
“豪州流には慣れている”

久保竜彦
“いや、何も考えてない”

…私が久保竜彦大好きだと知っての見事なオチです。台詞見ただけで、シャイな彼が仏頂面で精一杯答えてる姿が浮かんできて速攻で本屋に走りました。乗せられてます。どー見ても踊らされてます。 家に帰って読んでみたら別に久保はオチでも何でもなく普通に全体の1トピックだったと分かりましたが(当たり前だ)。何だか電車の中吊りに一杯食わされた時みたいでした。
記事自体は私好みで読みごたえありそうなんで、教えてくれた弟に一応感謝しときます。

しかしこの雑誌買う為本屋のスポーツコーナー行った時、サッカー雑誌の大半が表紙ツネ様でびっくりです。何で揃いも揃って…!?ガンバ優勝?代表キャプテンだから?女性ファン狙い? 切抜き集めてるファンには大変な年末になりそうですね…。

…ってコレ、後で確認したら新聞か何かの広告の見出しだったんですね…ナイス配置!!
この見出しでピンときた方は本屋さんへGO!!(笑)

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